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新人、ロボコン研修で自信

SmartTimes (伊藤将雄氏)

新入社員がやってきてから、そろそろ2カ月がたつ。データ分析や人工知能(AI)をビジネスとしている当社ユーザーローカルでは例年、新卒研修として当然、ソフトウエアのプログラミングをトレーニングしている。今年はこれにくわえて、ハードウエアを使った研修をカリキュラムに盛り込んでみた。

1997年早大政経卒、ビジネス誌出版社に入社。2000年楽天入社。02年に学生時代に開発した「みんなの就職活動日記」を事業化し、04年に楽天に売却。05年にユーザーローカル設立。

まず、新入社員一人ひとりにラズベリーパイと呼ぶ超小型コンピュータとカメラデバイスを一つずつ配布。それを組み込んだ六足歩行のロボットを自作してもらった。ソフトウエアだけでなくハードウエアの経験も積ませたい、という考えからだ。

ほぼ同じ部品を配布したものの、各人まったく設計が違うロボットができあがった。単に作成するだけではつまらないので、作ったロボットを操作してレースするロボットコンテスト、いわゆる「ロボコン」を実施してみた。

ただ、一般のロボコンのように目視でロボットをリモコン操作するだけでは、ソフトウエア面で差異化できる部分が少ない。そこで、今回はロボット上のカメラの映像をWi-Fiネットワークに飛ばして、コースから離れた場所に設置してあるパソコンやスマートフォン(スマホ)から画面越しに遠隔操作して競争する、というルールにした。

これにより、運転手はロボットの周囲しか確認できなくなるし、ネットワーク経由で0.1秒程度の遅延も発生してしまうことがあるため、操作難易度は大幅にアップした。

開発着手から一週間後、社内にコースを作成し、その上をロボットが障害物をよけながらゴールを目指すレースを開催した。

レースはとても盛り上がった。途中、コースアウトしてロボットが壊れたり、ネットワークとの接続が不安定になり暴走する、といったトラブルも多発した。修理や再起動を繰り返しながらゴールを目指す姿を、先輩社員たちも興奮しながら見守っていた。

ただ速さだけを競うのではなく、ロボットを操作するリモコン側の使いやすさ、レースを楽しめたかといった操作を通じて得られる体験(ユーザー・エクスペリエンス)の審査も合わせて実施した。新入社員のなかには、短い開発期間にもかかわらず、カメラ映像を画像認識して簡易的な自動運転アルゴリズムまで組み込んできた者も何人かおり、先輩社員たちも目を丸くしていた。

今回のロボコンだが、ひとりあたりの部品代は1万円程度だった。同じ値段を出せば、わりと高機能なカメラ付きドローンさえすぐに買えてしまう時代だから、わざわざハードウエアを自作すること自体のメリットは薄い。しかしながら、まったくゼロからソフトウエアと連動するハードウエアを作ってみる、という経験は、新入社員の自信につながったと思う。

[日経産業新聞2018年5月23日付]

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