1000億円突破には鉄の意志
SmartTimes (村松竜氏)

2018/5/23 6:30
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いずれはソニーホンダキーエンスのように世界に挑もうとする起業家を、資金面・戦略面の両方で応援するのが当社の仕事です。世界企業に成長するかの先行指標の一つは会社の時価総額。これが1000億円を超えるのではないかと予感させる会社に創業初期から投資し、長期間応援したいと思っています。

新卒でジャフコに入社。担当していたGMOインターネットの上場後に決済のスタートアップを起業。2005年にGMOベンチャーバートナーズを設立。12年よりシンガポールを拠点に活動

新卒でジャフコに入社。担当していたGMOインターネットの上場後に決済のスタートアップを起業。2005年にGMOベンチャーバートナーズを設立。12年よりシンガポールを拠点に活動

なぜ1000億円なのか。ここを突破した途端、人、情報、資金の集まるスピードが上がり、一気に成長の勢いがつくからです。見える風景が変わり、世界が視界に入ってくるのがこの数字。25年間この世界に生き、多くの企業の応援に関わってきた経験として、1000億円が、その会社がいずれは世界を目指せるか否かを占う大きな通過点に感じます。

GMOベンチャーパートナーズとしては、マネーフォワードや最近上場を発表したメルカリなど計5社、私のこれまでの関与事例を含めると通算7社がこの転換点を通過していきました。そこであることに気づきました。業界もビジネスモデルも経営者のタイプも様々ですが、1つの共通点があるのです。それは、リーダーに人間的な魅力的があるだけでなく、とてつもなく大きな目標を達成する鉄の意志を10年単位で持ち続ける超人的な意思力がある、という事です。

大きな目標は、その時代やその業界にいる人にはむちゃな夢、絵空事に見えたりします。「キングダム」で言えば秦王の中華統一のように、当時の人々にとっては未来永劫(えいごう)に思えた戦乱の世を一代で終結させる、あの大業みたいなものです。

ビジネスの世界では、思った通りの商品が作れない、思った通りに売れない、思った通りに採用できない、せっかく採用したのに長く居続けてくれない、想像以上のスピードでお金がなくなる、といった苦難が毎日生じます。

その苦難は、冷たい雨のように体を冷やします。しかし一度走り始めたら最後、休まず走り続けなければなりません。チームメイトは「寒く苦しいのでちょっとだけ歩きませんか」と言うでしょう。しかしリーダーは「あそこに目標があるじゃないか」と叫びながら、冷たい雨の中をチーム全員に走り続けてもらわなければならないのです。

この困難を突破し続ける創業者の下には、いつしか人、情報、資金が集まってきます。とりわけ最も重要な要素である「優秀な人材」が集まって来るのです。優秀な人材というのは他でも多くの声がかかるため、面白い事業話、壮大な目標には慣れっこで、簡単には誘いに応じてくれません。

しかし、リーダーが鉄の意志を持ち一つ一つ目標を達成することで、彼らの心は動きます。チームに巻き込むことができ、さらに優秀な人材が集まる好循環が生まれ、いつしか巨大な勢いになっていくのです。

[日経産業新聞2018年5月21日付]

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