2018年6月23日(土)

自転車をもっと楽しみたい

2018/5/15 1:16
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 政府が自転車の活用を促す総合的な計画案をまとめた。交通政策のなかに自転車をしっかりと位置付けることがまず、重要になる。

 今回の計画案は昨年5月に施行された自転車活用推進法を受けた初の計画になる。交通ルールの徹底のような安全面の対策と併せて利用促進策を盛り込んでいる。

 自転車は環境に優しいうえ、利用が広がれば車の渋滞を緩和する効果もある。健康を維持するためにも膝への負担が軽いといわれる自転車をもっと楽しみたい。

 風光明媚(めいび)なサイクリングロードは海外から観光客を呼び込む資源にもなる。瀬戸内海のしまなみ海道の起点である広島県尾道市では訪日客が増えている。

 自転車への注目度が高まる一方で、国土交通省によると交通手段として自転車を使う割合は全国で約13%と低下傾向にある。特に、地方都市で利用が減っている。

 利用を促すためには、歩行者と分離した自転車の通行空間を着実に整備する必要がある。2016年度末の整備延長は全国で約1300キロと、歩道を設けている道路の0.7%にすぎない。違法駐車の取り締まりを強化し、駐輪場の整備や電柱の撤去も進めたい。

 街中で自転車を貸し出すシェアサイクルももっと普及させたい。16年10月時点で全国の87都市が導入しているが、海外の先進都市と比べると、利用はまだ少ない。

 自転車をそのまま乗せることが可能な鉄道や路線バスも登場している。コンパクトな街をつくるためにも、自転車を公共交通網のひとつと明確に位置付けて、継続的に利用を促すことが欠かせない。

 今回の計画案をみると気がかりな点もある。4つの目標の2つ目にサイクルスポーツの振興を掲げていることだ。具体策として国際規格に合致した自転車競技施設の整備を挙げている。

 スポーツとして楽しむことは構わないが、まずは安全な通行空間を整えることが先だろう。国も自治体も優先度を見極めて、施策に取り組んでほしい。

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