2019年9月18日(水)

副業が無理なくできる環境を整えよう

2018/5/12 21:57
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社員の副業を認める企業が増え始めている。働き手が新しい技能を身につける機会が広がり、企業と社員の双方にとって利点があると考えられるためだ。

ただし、労働時間を管理するルールに曖昧さがあるなどの問題もある。健康を害したり本業に支障が出たりしては本末転倒だ。副業が無理なくできるよう、政府は制度の整備を急ぐべきだ。

ほとんどの日本企業は本業への影響を考えて社員の副業を認めてこなかったが、潮目は変わりつつある。ソフトバンクコニカミノルタユニ・チャームエイチ・アイ・エスなどの大手企業が容認に転じている。

企業には、副業での経験を新規事業の立案や既存事業のテコ入れに役立ててほしいとの期待がある。社員が副業で培った人脈を生かして外部との連携を進め、新しい製品やサービスを創造しやすくなるメリットもある。

社員にとっては新たな技能を習得することで、定年後の備えや起業の準備がしやすくなる。定年後も長く働く人が増えれば、労働力不足を和らげ、社会保障制度の持続性を高めることにもつながる。

だが現在は、副業をする環境が整っているとはいえない。副業も企業に雇用されて働く場合は、その人の労働時間の合計を把握する責任が本業の企業にあるか、副業先の企業にあるかが不明確だ。過重労働を招く恐れがある。

副業先でけがをして、本業を含めて仕事を休んだとき、労災保険では副業先の賃金についてしか補償されない。雇用保険も1週間の所定労働時間が本業、副業とも20時間未満だと加入できない。

1つの企業に勤め続けることを前提に様々な制度が組まれているため、こうした問題が生じる。副業を解禁した企業も個人事業主としての仕事は認めるが、他企業での仕事は禁じている例が多い。

個人が仕事の幅を広げるには副業も多様な機会があることが望ましい。厚生労働省は企業の就業規則のひな型になる「モデル就業規則」を改め、副業を原則容認することとした。他社での副業を事実上阻んでいる現行制度の見直しにも積極的に取り組んでほしい。

個人事業主か雇用される形かを問わず、長時間労働を防ぐことは副業の環境づくりの基本になる。本業、副業ともに効率的に仕事を進めることが欠かせない。個人も企業も一段の工夫が求められる。

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