2018年8月18日(土)

子どもの豊かな成長支える場を増やそう

2018/5/4 23:19
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 共働きの家庭が増えている。なのに地域に、子どもが安心して過ごせる場はまだまだ足りない。これでは子育てのハードルは上がるばかりだ。

 保育サービスの効果は、女性の就労を後押しすることだけではない。仕事と家庭を両立させやすくなれば、もう1人子どもを持ちたい、という夫婦の希望もかなえやすくなる。子どもにとっても健やかに成長する大切な場だ。拡充を急ぐ必要がある。

 女性の就業率は上昇しており、2016年には72.7%(25~44歳)となった。これにともない、1、2歳児の保育サービス利用率は17年に45.7%と、10年の29.5%から大きく上昇している。

 政府は20年度末までに待機児童をゼロにする目標を掲げている。就業率が80%になっても対応できるという。

 低年齢の子どもを中心に預かる小規模保育や、企業が従業員向けに設ける企業主導型保育など、サービスの種類も増えた。だが待機児童解消はまだ見通せない。

 新たな整備も大事だが、今ある施設を生かすことも大事だろう。交通の便のよいところに利用希望が集中し、地域全体としてみれば空きがあることもある。保育施設への送迎や、自治体の枠を超えて利用しやすくするといった工夫で、対応できる場合もある。

 幼稚園が果たせる役割も、大きいはずだ。専業主婦家庭の子どもが通う、というイメージがあるが、3~5歳児を夕方まで預かるところも増えている。仕事を持っている親も多い。

 待機児童対策として政府は今年度から、2歳児を幼稚園で預かる仕組みを設けた。子育て環境の変化に応じ、もう一歩踏み出してほしい。こうした実践を通じて、保育所と幼稚園の両方の機能を持つ「認定こども園」に転換するケースが出るのを期待したい。

 一方、保育サービスの急速な増加は人材不足の顕在化や質への懸念も一部で生じさせている。指導監査の徹底や、保育士らの研修機会の増加といった取り組みで、質を高めることが欠かせない。

 幼児期に良好な保育・教育を受けることは、子どもたちの可能性を広げる。待機児童の解消だけが目標ではない。子どもの育ちをどう支え、どう豊かにしていくか。財源をどう確保するかを含め、社会全体で子育て支援の大きなデザインを共有したい。

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