2019年3月20日(水)

「平成」の終わりへの課題

2018/4/29 23:10
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天皇陛下の退位まで、あと1年となった。「平成」も、その終わりが刻々と近づいている。改めて過去を振り返り、また、新しい時代をも展望しつつ、象徴としての天皇のあり方に思いをいたす日々としたい。

社会の高齢化が進むなかで、象徴としての務めはどうあるべきなのか。一昨年に発表された「おことば」は陛下の思いを強くにじませるものだった。

国民の大きな共感を背景に、国会では与野党が一致し、一代限りの退位を認める特例法を制定している。

今月初めには、政府の準備委員会が代替わりにともなう種々の儀式の基本方針を固めた。

皇位継承の証しを引き継ぐ「剣璽等承継の儀」や新天皇が三権の長と会う「即位後朝見の儀」など5つの儀式を国事行為とするという。憲法の規定との兼ね合いを考え、前回を踏襲したものでおおむね妥当といえよう。

「饗宴の儀」は平成への代替わりの際、4日間で計7回あり、国内外の3000人を招いている。今回は縮小する方針という。時代に合った形式を引き続き模索してもらいたい。

国民生活にもっとも影響が大きい新しい元号の公表は来年の2月以降になりそうだといわれる。

早い時期に行うと国民の関心が新天皇に向かい、結果として、現在の天皇陛下を軽んじることになりかねないとの懸念が政府内にあるようだ。

コンピューターのシステムや官公庁の文書等、影響は社会の広範囲に及ぶ。慎重に時期を選び、混乱のないよう周知すべきだろう。

特例法の制定の際にも議論となった皇族数の減少や皇位の安定的な継承への対策も、本格的に検討を進めねばならない時期に来ていよう。

皇族方は福祉や医療といった団体で名誉職などにつかれている。何らかの策を講じなければ国民と皇室の間に距離を生む懸念もある。早急に取り組むべき課題だ。

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