2018年8月20日(月)

「おもてなし」担う外国人を育てよう

2018/4/26 23:17
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 日本を訪れる外国人旅行者数が右肩上がりで伸びている。人手不足を背景に、接客する側も外国人が珍しくない。一時しのぎで外国人を雇うのではなく、日本の強みである「おもてなし」を受け継ぐ人材として育成すべきだ。

 小売りや外食業界はアジアをはじめとする外国人採用に力を入れている。外国人従業員の数はコンビニエンスストア大手3社だけで4万人以上にのぼる。弁当工場など消費者から見えないところは既に外国人が支えているが、接客でも増えてきたのは大きな変化だ。

 作業を単純にするため、釣り銭を自動で払い出したり、迷いやすい操作を多言語で表示したりするレジを導入する企業もある。

 売り手と買い手の双方で外国人が増える日本の消費市場の姿は一時的な現象ではない。グローバル化の進展に伴い、外国人比率はさらに高まる可能性がある。とすれば、外国人を人手不足の穴埋めに使うのではなく、日本の接客の担い手として育てることが大切だ。

 訪日客が日本を旅行先として選んできた理由のひとつは、丁寧で親切な接客にある。「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」といったあいさつや、レジ袋を静かに開くなど細かな気配りに訪日客は感心する。

 日本では当たり前の接客が出身国の常識とは違う場合がある。日本語や作業の流れを教えるだけでは不十分だ。忙しい現場の責任者の裁量で一から日本流を教えるのは負担が大きい。チェーン店なら本部が多言語のテキストを作成するなどして支援し、丁寧に伝えていくべきだ。

 ただ、教育の仕組みを整えても壁は残る。たとえば、アジア系の外国人店員を「安い労働力」とだけ捉える風潮はないか。

 雇う側、消費者ともに外国人との向き合い方が問われている。外国人がサービスを提供する仲間として自然に溶け込める土壌をつくることが求められる。

 2017年の訪日客数は2869万人と過去最高を記録した。政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に4000万人に増やす目標を掲げている。なかでも最近増えているのは日本の日常を探索する訪日客だ。外国人の気持ちをくみ取り、言葉の壁がない外国人店員は貴重な戦力となる。

 外国人の力を取り込んで、日本の高水準の接客力にさらに磨きをかけたい。

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