2019年8月20日(火)

学校の部活は地域が受け皿に

2018/4/25 0:14
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公立学校の部活動が大きく変わろうとしている。

名古屋市は先月、すべての市立小学校の部活を2020年度限りで廃止し、指導を教員以外の外部の人材に委ねる方針を決めた。学校に代わり、地域社会が部活の受け皿となる流れは加速しよう。自治体、教育委員会は各地の実情に即した環境整備を進めてほしい。

背景は大きく2つある。まず、長時間労働が問題となっている教員の負担軽減だ。部活は自主的活動というのが建前だ。が、若手教員を中心に、半ば義務的に指導にあたらせているのが実情だ。

運動系の部活では近年、土日の活動の増加や事故防止など安全管理の徹底で、顧問の教員の疲労度が増している。過労死の危険が高まるとされる月平均80時間以上の残業を強いられる公立学校の教員が中学校で約6割、小学校で約3割に達した。現状のままでは、持続困難なことは明らかだ。

もう一つは少子化だ。多くの地域で、1校だけで団体競技のチームが編成できず、部活の選択肢が減っている。学校単位の活動にとどまらず、より広域的な取り組みも求められている。

愛知県半田市では、中学校の敷地にカフェや更衣室を備えた4階建ての運動施設を建設。学校と住民が共同利用し、小学生から高齢者まで幅広い世代が多様なスポーツを楽しむ。運営主体の非営利組織が会費を集め、常駐スタッフやボランティアが指導する。部活改革と住民サービスを両立させた。

学校という公共施設を地域に開放し、近隣住民が自主的に運営、参加する「総合型地域スポーツクラブ」の成功例といえる。

文部科学省は、外部の人材に指導や試合の引率を認める「部活動指導員」を制度化した。教員OBや企業・大学の運動部関係者などの登録を期待している。

当面は、部活の担い手を教員から指導員に移すことが改革の柱になろう。将来は、子供を含むすべての地域住民が生涯、スポーツに親しむ施策も検討してほしい。

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