2018年10月23日(火)

不祥事続出でも国会は審議するのが筋だ

2018/4/23 23:17
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福田淳一財務次官のセクハラ疑惑などをめぐる政府の対応に野党が反発を強め、国会の審議を拒否している。一連の不祥事は行政への信頼を揺るがしており、真相解明や責任追及は当然だ。だからといってそれが法案の審議などをすべて欠席し国会を長く空転させる理由にはなり得ない。

「森友学園」への国有地売却での決裁文書改ざんや福田次官のセクハラ疑惑を受け、麻生太郎副総理兼財務相の引責辞任が国会正常化の条件だと、野党は主張している。文書改ざんでの佐川宣寿前国税庁長官の辞任に続き、今度は福田次官が辞任に追い込まれる異常事態だ。麻生氏の任命責任は厳しく問われなくてはならない。

野党はまた「加計学園」の獣医学部新設で、愛媛県の誘致関係者との面会について「記憶がない」と説明している柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問を求めている。

立憲民主党の枝野幸男代表は「安倍晋三首相が『うみを出し切る』と言うなら具体的行動を示すべきだ。ボールは与党側にある」と強調する。国会審議の空転で、与党は23日に予定していた衆参両院の予算委員会への柳瀬氏の参考人招致を先送りした。

安倍政権では森友、加計の両問題に加え、海外に派遣した自衛隊の日報の扱いなど国民の信頼を裏切る失態が続く。報道各社の世論調査では内閣支持率が急落した。一連の疑惑の解明と再発防止に向け、政府・与党が重い責任を負っているのは言うまでもない。

一方、今国会は重要法案の審議が軒並み遅れている。生産性向上をめざす働き方改革や規制改革の関連法案は、与野党で政策論議を深めて早期に成立させる必要がある。成人年齢の18歳への引き下げや相続制度の見直し、受動喫煙対策の強化といった国民生活に密着した法案も多い。

日本が主導して11カ国が署名した環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案や関連法案も今国会中に可決し、早期の発効に道筋をつけるべきだ。2国間の通商交渉を重視する立場を鮮明にして譲歩を迫っている米政府に対する、日本としてのメッセージにもなる。

政府への信頼は民主主義国家の土台だ。だが大きく変化していく世界のなかで、内向きの論争ばかり続けている余裕はない。国家的な課題と不祥事への対応を、ある程度は切り分けて論議していく必要が、与野党にはある。

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