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商工中金は再建へ危機感を

不正融資問題に揺れる政府系金融機関、商工組合中央金庫が新体制で経営再建と完全民営化を目指す。新たに民間から起用した関根正裕社長のもと、強い危機感をもって信頼回復に取り組むべきだ。

商工中金は社外取締役を含む6月の新体制の正式発足に向け、業務改善計画を策定する。同計画で重視すべき柱は大きく2つある。

1つ目はガバナンス(企業統治)と組織風土の抜本改革だ。100店舗中97店が関与した広範な不正融資が見過ごされてきた。その底流には、商工中金を監督する立場の経済産業省などから経営首脳を歴代受け入れてきた天下りの構図がある。社長にとどまらず社外役員や副社長などの要職に有能な民間人を登用するのは不可欠だ。

一般職員についても若手や女性の抜てきなど人事の活性化が必要だ。業容維持にこだわる生え抜き幹部による過剰なノルマの押しつけや上意下達の企業風土が、全職員の2割が処分対象となる異常事態につながったからだ。

2つ目はビジネスモデルの転換である。一連の不正は金融の混乱や自然災害などに際して、苦境に立たされた中小企業を国費で支える「危機対応融資」で発生した。

業績が悪化していない取引先の財務諸表を悪く改ざんしてまで融資を実行しており、融資の約3割を占めた危機対応業務の大幅な縮小は不可避だ。この過程で店舗網や人員のリストラも迫られよう。

新たな収益を確保するカギとなるのは、中小企業への多様な支援策だ。例えば担保や個人保証に頼らずに事業内容で評価する融資や事業承継、M&Aの関連業務など、民間が対応を怠ってきた分野に活路を見いだすほかない。

商工中金は不祥事の影響で再建を担う人材が流出しかねない。4年後に最終判断する完全民営化を視野に入れ、「不要論」を払拭できる具体策の提示が急務だ。

関根新社長は旧第一勧業銀行や西武鉄道在籍時の危機対応の手腕が買われた。商工中金再建も「危機モード」で臨んでほしい。

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