2018年10月23日(火)

米中貿易摩擦の世界への影響が心配だ

2018/4/17 22:52
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中国の対米貿易黒字がさらに増加した。外需頼みの経済成長では持続性が危ぶまれるし、米中の貿易摩擦を一段と激化させ、世界の通商体制を揺るがしかねない。先行きが大いに心配である。

中国の2018年1~3月の実質経済成長率は前年同期比6.8%で、前四半期と比べて横ばいだった。問題は対米貿易黒字だ。こちらは2割近く増えた。

中国の習近平国家主席は金融や自動車で外資の過半出資を認めるほか、輸入拡大へ車への関税を引き下げる方針を示した。金融市場の開放は6月末までに実施するという。ただ、公表済みの政策の焼き直しも多く、効果は不透明だ。

世界の二大経済大国が本格的な貿易戦争に突入すれば影響は両国にとどまらない。いかに国際経済への余波を小さくするか。安倍晋三首相はトランプ米大統領とこの問題にも取り組んでほしい。

5年に1度の中国共産党大会が開かれた17年は公共投資が景気を引っ張った。今年はインフラ投資が一段落し、減速するとみられる。特に不動産市場に絡む金融リスクには注意すべきだ。

中国の大都市では住宅暴騰で地方出身の夫婦が一生分の給与をつぎ込んでもマンションを買えない。無理をして買っても、住宅ローン負担が家計を圧迫し、消費に回せる資金が細る。中国経済の根幹に関わる問題であり、迅速な対応が必要だ。

電子商取引が主体の消費はなお堅調である。だが、中国政府が取り組んできた供給サイド重視の構造改革、生産能力の削減は滞りがちだ。17年の鉄鋼生産は市況好転で過去最高を記録した。

16日、東京で8年ぶりに開いた日中ハイレベル経済対話で日本側は、鉄鋼の過剰生産解消への協力を要請した。中国側は従来の取り組みを説明したにすぎない。知的財産の保護に関しても中国の措置は不十分だ。

中国は先の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で国務院=政府の組織再編を発表した。並行して共産党組織の改編も実施される。その方向性は政府の権限縮小と共産党の指導強化にある。

突然の憲法改正で「終身のトップ」も可能にした習主席のもとであらゆる政策づくりで党主導が一段と強まる見込みだ。いまや世界が影響を受ける中国の経済政策づくりの変化にも目を凝らす必要がある。

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