凸版、電子チラシ「シュフー」堅調 近所の特売、随時提供
戦略ネットBiz

2018/4/21 6:30
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凸版印刷の電子チラシアプリ「Shufoo!(シュフー)」が堅調に利用者数を伸ばしている。月間の利用者は1100万人に上り、1年前から28%増えた。電子チラシでは前身から17年の歴史を誇る老舗のサービスだが、帰宅時間や居住地域に応じたきめ細かい情報提供などで、主婦らの支持を集め続けている。

凸版印刷の電子チラシサービス「シュフー」では、利用者の属性に合わせた買い物情報が届く

凸版印刷の電子チラシサービス「シュフー」では、利用者の属性に合わせた買い物情報が届く

シュフーの利用者の7割強が女性で、そのうち30~40代が63%を占める。職業別では専業主婦が36%と最も多く、パート・アルバイトが32%と続く。女性利用者の6割が子どもを持つなど、定期的に買い物をする主婦層が多いのが特徴だ。

シュフーの主な広告主はドラッグストアやホームセンターなどの小売店だ。広告主はその日のお勧めの商品の情報を朝と夜の2回にわけ、アプリのプッシュ通知で利用者に伝えられる。凸版印刷は利用者がチラシを1回見るたびに、広告主から10円の収益を得る。

このように情報を一斉に配信できるほか、店舗ごとに合わせたアプリならではの利用者への訴求もできる。例えば、タイムセールなどの情報を店舗の周囲にいる利用者に通知できる。

スマートフォン(スマホ)で撮影した画像も添付でき、調理後の食材を「作りたての揚げ物」といった文言と一緒に紹介できる。全国の店舗では取り扱っていないが、ある1店舗限定の高額商品といった商材も簡単に利用者に訴求できる。店舗の従業員のコメントを付けるなど、地域の特色を打ち出す表現も盛り込める。こうした情報は早ければ5分後に利用者に届けられる。

スマホアプリやSNS(交流サイト)で情報を得る消費者が増え、全国一律のマーケティングでは消費者の需要を捉えきれなくなってきた。凸版印刷のメディア事業推進本部の亀卦川篤副本部長は「地域の利用者の特性に合わせたマーケティングが大切」と話す。

年齢や性別、住む地域を指定し、対象となる利用者だけに情報を配信できる。利用者の現在地も把握できるため、帰宅途中の会社員向けの情報も発信できる。

シュフーにはこうした購買データが蓄積され、その数は年に3000万人分に上る。購買データには利用者の性別や年齢のほか、地域やどのような商品を求めているかが含まれる。

凸版印刷は2017年10月、購買データを基に利用者に合わせた広告を、ニュースサイトやSNSで配信する新たな取り組みを始めた。亀卦川副本部長は「密度が濃い主婦層の購買データは貴重だ」と強調する。

シュフーの前身のサービスは01年に始まった。当初は広告主からチラシなどのデータを受け取り、広告主の公式サイトに掲載する代行業務を担っていた。スマホ専用のアプリを10年に配信し、アプリを通じた小売店への誘客サービスを開始した。

シュフーのアプリを起動したりチラシを見たりすると、利用者は店舗で景品を交換できるポイントがもらえる。シュフーは無料対話アプリのLINEやクレディセゾンなどと連携。LINEを通じて情報を発信するなど、利用者の拡大につなげている。

今後はチラシだけではなく、地域限定のセールやイベント情報といった、あらゆる買い物に関する情報を充実させる計画だ。より地域性のある情報を充実させ、利用者の需要に密に対応することでさらなる利用者の拡大を目指す。

(亀井慶一)

[日経MJ2018年4月18日付]

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