2018年9月26日(水)

日本は自由貿易の維持に全力を尽くせ

2018/4/11 23:23
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 米国のトランプ政権が一方的な関税引き上げなど強硬な通商政策を打ち出したのをきっかけに、中国が報復に動き「貿易戦争」という言葉も飛び出すようになった。世界の成長の基盤になる自由貿易と多国間協調の危機ともいえる。日本が果たすべき責任は重い。

 安倍晋三首相は来週訪米し、17~18日にトランプ米大統領と会談する。北朝鮮問題と並んで主要議題になるのが通商問題だ。

 2国間の貿易赤字を問題視するトランプ政権は、制裁関税など一方的措置を連発している。主な標的は中国だが、日本も安全保障を理由にした鉄鋼・アルミ製品の追加関税の対象国になった。

 日本は米国に追加関税の撤回を求めるべきだ。同時に、実際に発動された場合は世界貿易機関(WTO)に提訴し、多国間の枠組みで解決を目指す構えが要る。

 進出した外国企業に中国が強制的に技術移転を求めていることなどを理由に、トランプ政権は通商法301条による制裁関税も打ち出している。

 制裁関税を脅しに使う一方的措置には問題がある。ただ、中国の知的財産権侵害は米国だけでなく日本や欧州連合(EU)にも関心事で、日米欧は貿易担当相会議などで連携を確認している。

 中国の知財権侵害や過剰生産などの問題では、日米欧が協調し多国間の枠組みで解決を目指すよう、安倍首相はトランプ大統領を説得する必要がある。

 米国は日米自由貿易協定(FTA)を含む2国間での貿易赤字削減策を求めてくる可能性もある。2国間の個別問題は日米経済対話などで冷静に話し合うべきだ。

 日本は前オバマ政権との環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉を通じ、米国が関心を持つ農業分野の関税引き下げなどの措置に応じたが、トランプ政権は一方的に離脱してしまった。

 米国抜きのTPP11の署名にはこぎつけたとはいえ、米国がすぐに復帰する見込みは小さい。

 米国との間で新たな通商交渉を始めるならば、TPPでもカバーされていないデジタル取引など新分野を対象にし、将来は欧州やアジアなどとも連携できる枠組みづくりを進めていくべきだ。

 自由貿易を守り多国間協調で指導力を発揮することが米国の利益にもつながる。米国第一主義を掲げるトランプ大統領に、安倍首相は粘り強く説いてもらいたい。

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