春秋

2018/4/11 1:15
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スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」が公開されたのは1968年4月。半世紀前のことだ。タイトルにも盛り込まれた年代の設定は、21世紀がまだ遠かった時代感覚をうかがわせる。それを除けば、いまも鮮烈な魅力をはなつSF映画の傑作だ。

▼SFらしいアイデアと映像が印象的なのは、宇宙船「ディスカバリー」号が木星へ向かうところだろう。たとえば、船を制御するコンピューターが異常をきたして乗員たちを「排除」しようとし、逆に乗員の手作業で機能を止められるエピソード。近年ようやく高まってきたAI(人工知能)への警戒感を先取りしていた。

▼木星へ有人飛行が実現する見通しは、いまのところ開けていない。ただ、1973年に木星から20万キロ以内にまで接近したパイオニア10号を皮切りに、米航空宇宙局(NASA)が無人機による探査をくり返してきた。95年にガリレオが初めて周回軌道に入ったのに続き、2016年からはジュノーがまわりを回っている。

▼かの映画の公開から半世紀というタイミングを意識したのかどうか。NASAが最近、ジュノーから送られてきた新しい画像を公開した。巨大な木星の表面をいくつもの雲の渦がおおって、いささか気味わるく感じるほどに不思議な模様を織りなしている。ヒトの想像力をこえる神秘が宇宙にはまだたくさんあるのだろう。

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