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働き方改革法案を今国会で成立させよ

政府が働き方改革関連法案を閣議決定した。働き方改革は日本の成長力を高め、意義が大きい。今国会の審議日程は窮屈だが、確実な成立が求められる。

法案の柱は3つある。ひとつは残業時間への上限規制の導入だ。同じく労働時間の制度改革として、働いた時間でなく成果をもとに賃金を決める「高度プロフェッショナル制度」の新設がある。そして正社員と非正規社員の不合理な待遇差をなくす、「同一労働同一賃金」の制度化である。

いずれも、日本の雇用と賃金をめぐる制度の節目の改革となる。仕事の時間配分を本人にゆだねる裁量労働制の対象拡大が調査データ不備で先送りされたのは残念だが、法案が成立すれば、米欧に比べ見劣りする日本の生産性を高める効果は大きい。

経済・社会の構造変化に対応するために、働き方改革は具体化を急がなければならない。

人口が減るなかでも経済が成長するには女性や高齢者の就業促進が重要になる。それには慢性的な長時間労働を是正し、働きやすい環境をつくることが必要だ。残業の上限規制は、いまは事実上青天井で延ばせる時間外労働に歯止めをかける意義がある。

経済のソフト化・サービス化が進み、成果が労働時間に比例しない仕事は急増している。成果重視を前面に出した高度プロフェッショナル制度は時代の要請である。対象者を一部の専門職に限っているが、今後広げるべきだ。

非正規比率が4割近い現状をみれば、仕事が同じなら雇用形態に関係なく賃金も同じにする同一労働同一賃金の制度化は急務だ。賃金は職務の対価であるという考え方を明確にするこの制度は、正社員の生産性向上も後押しする。

野党は高度プロフェッショナル制度について「残業代ゼロ」制度と批判を強め、その創設を裁量労働制の対象拡大に続いて法案から削除するよう要求している。

だが、生産性の向上を促す新制度を企業が使えなければ、日本の国際競争力が落ちる恐れがある。それでは従業員も不幸になる。政府は新制度創設を含めての法制化をあくまで貫くべきだ。

厚生労働省・東京労働局長による記者会見での不適切発言が問題視されている。厚労省は裁量労働制の調査で失態が明らかになったばかりだ。働き方改革の担当組織としての自覚を強く求めたい。

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