2018年12月15日(土)

100万人同時参加 米クイズアプリ、仕掛けの妙
奔流eビジネス (スクラムベンチャーズ マーケティングVP 三浦茜氏)

コラム(ビジネス)
2018/3/30付
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100万人が同時に参加するクイズアプリがアメリカで人気だ。「HQ Trivia(エイチキュートリビア)」というこのアプリ、昨年8月にiPhone版がリリースされて以来、参加者を増やし、現在は60万~160万人が参加する大人気アプリとなっている。もっとも多い回は200万人超。クイズは毎日、昼の12時と夕方6時(西海岸時間)から開催される(週末は6時の回のみ)。

クイズを次々に出題する司会のスコットさん

クイズを次々に出題する司会のスコットさん

アプリの内容はいたってシンプルだ。クイズミリオネアというテレビ番組があったが、それに100万人が同時に参加しているイメージだ。ただ賞金はミリオンではなく1回あたり2500ドルと今のところ大きくはない。イベント的に賞金が大きな回もある。

みのさんならぬスコットさんが次々にクイズを出題していく。クイズは全部で12問で、間違えたら次の問題に進めない。問題に対して3つの選択肢が用意されており、それに10秒以内で解答しなくてはならない。全問正解したら、賞金が正解者に均等に配分される。賞金はペイパルで払い戻しを受けることもできるし、そのままアプリにためておくこともできる。

筆者もその人気を友人から聞き、先日参加してみた。問題文と選択肢の表示も含めて10秒なので、問題を読んでいる間に数秒たってしまう。いずれもグーグルで調べればわかるような問題ではあるが、調べている時間はない。検索する時間がないので、すべて自分の頭脳だのみ。会社の同僚と参加するなど、まわりを巻き込んで挑戦している人も多いようだ。

筆者の時は参加者が90万人超で、最終的には265人が全問正解し、1人あたり9.44ドルを山分けしていた。トータルで15分程度で終了するので、仕事の合間にも息抜きに参加できる。

まだ売り上げをあげていないこのアプリだが、先日シードラウンドで1500万ドルの資金を調達した。企業の評価額は1億ドル。調達資金はサーバー増強、賞金などに充てられると思われるが、その評価額から投資家の期待値の高さがうかがえる。創業者がツイッターに買収されたVineの創業者という点でも期待されているのだろう。

ビジネスモデルはまだ確立していないが、100万人が同じタイミングで同じ画面を見ているのは強みだ。賞金をスポンサーに提供してもらったりスポンサー質問を設けたりといった方向を検討しているという。直近では、ナイキやワーナーブラザーズがスポンサーとなることが発表された。最初からビッグクライアントをつかむことに成功しているようだ。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

参加してみて「うまい」と思った仕組みは友達紹介だ。筆者はあえなく2問目で敗退したが、「次回、クイズをさらに続けたい場合は友人を招待してライフを獲得しよう」という友達紹介の画面が表示される。数人の友人に招待を送った。

通常は司会のスコットさんが画面に映り、ちょっとした最近の話題からスタートしクイズを繰り広げるが、たまにスペシャルゲストが司会者となることもある。コメディアン、音楽プロデューサー、ゲームジャーナリストなど幅広い分野からゲスト司会者が企画されている。こちらも新たなユーザー層獲得に寄与しそうな施策である。

ライブとクイズ、なんの変哲もない組み合わせだが、自分が参加者であることもあり、ただのライブ動画を見ているのともまた違った感覚だ。また10秒に限られているせいか時間に敏感になり、ライブ性を強く感じた。

インターネットにより非同期コミュニケーションが一般的になった。そして何でも検索で調べられるようになった。それに反して、同タイミングで調べることができないというアプリは、昔テレビでクイズ番組をみていた感覚にも似ているが、新しいエンタメのかたちだと感じた。日本でも「MyQトリビア」という類似アプリがリリースされている。

[日経MJ2018年3月30日付]

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