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佐川氏喚問でも文書改ざんの謎は解けぬ

学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、衆参両院の予算委員会が財務省の理財局長だった佐川宣寿氏を証人喚問した。

佐川氏は決裁文書の改ざんについて首相官邸の指示を否定しつつ、詳しい経緯の証言は拒んだ。国有地の格安での売却や文書改ざんに誰がどう関わったのかはなお分からない。他の関係者の国会招致などを通じて、事実をさらに解明していく必要がある。

佐川氏は決裁文書の改ざんについて「本件は個別案件であり、財務省の官房部局、ましてや首相官邸などからの指示はない。理財局の中で対応した」と語った。一方で改ざんの理由や誰の判断だったのかに関しては「刑事訴追を受ける恐れがあるので答弁を差し控える」と繰り返した。

国有地の8億円強の値引きについては「不動産鑑定にかけて法令に基づいて行った」と述べ、適切だったと改めて主張した。安倍晋三首相の昭恵夫人が小学校設立を応援していると学園側が説明していたことと取引の関係は「首相や首相夫人の影響があったとは考えていない」と断言した。

森友問題の核心は学園側の希望に沿った土地取引の背景に、政治の圧力や官僚の忖度(そんたく)があったかどうかだ。

首相は昨年2月の衆院予算委員会で「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく首相も国会議員も辞める」と強調した。佐川氏は「あの首相の答弁の前と後ろで私自身が答弁を変えたという意識はない」と述べた。それなら国会に提出する公文書を改ざんしてまで、いったい何を隠そうとしたのだろうか。

野党は佐川氏に加え、国有地の売却交渉時に理財局長だった迫田英典氏、昭恵夫人、昭恵氏付だった政府職員らの証人喚問を求めている。国会は関係者を招致して全容の解明を急ぐべきだ。昭恵氏も自らの行動について公の場できちんと説明する必要がある。

森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問から1年余り。籠池氏らの証言と政府側の説明は大きく食い違ったままだ。財務省による文書改ざんが明らかになり、日本経済新聞社とテレビ東京の23~25日の世論調査で安倍内閣の支持率は42%まで14ポイントも急落した。

疑惑の解明に及び腰なままでは行政への信頼回復は難しい。事態が深刻であることを政府・与党は深く自覚すべきである。

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