2019年8月20日(火)

談合の根絶に全力をあげよ

2018/3/24 17:13
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リニア中央新幹線の建設工事をめぐる談合事件で、東京地検特捜部が法人としての大林組鹿島清水建設大成建設の大手ゼネコン4社と、鹿島、大成両社の幹部ら2人を独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で起訴した。

4社の担当者はJR東海が発注する品川駅と名古屋駅の新設工事の入札で、受注する会社を事前に決めるなどして自由な競争を妨げた疑いがあるとされる。

事実であれば、総工費9兆円に上る国家的プロジェクトの裏で不正なやり取りが行われていたことになる。大手ゼネコンは過去にも談合事件で摘発され、「談合決別宣言」を出していた。今度こそ談合の根絶に向け、企業倫理の徹底や社内の体制づくりに全力で取り組まなくてはならない。

今回の事件では、大林組と清水建設が談合を認めて公正取引委員会に不正を自主申告したとされるのに対し、大成建設と鹿島は否認しているという。双方の認識の違いがどこから来るのかが、この先開かれる裁判では注目される。

否認している企業の認識が甘いようであれば正していく必要があるし、刑事責任を問われる談合行為の線引きに曖昧な面があるとすれば、裁判などを通して明確にしていく必要があろう。

欧米では「競合する他社の担当者が集まっただけでアウト」といわれるほど談合やカルテルに厳しい目が注がれる。検察には分かりやすく、丁寧な立証を求めたい。

独禁法には公取委の調査開始前に自主申告すれば刑事訴追を免れる仕組みがある。今回はこのケースにはあたらないが、ゼネコン4社の担当者のうち容疑を否認した人は逮捕、起訴され、容疑を認めて捜査に協力した人は起訴を見送られた。

6月には他人の犯罪の解明に協力した容疑者の起訴を見送るといった日本版の司法取引が導入される予定で、今回はこれを先取りしたように見える。司法取引の円滑な導入のためにも、起訴の判断について詳しい説明が聞きたい。

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