2019年4月25日(木)

官民連携で水道の劣化を防げ

2018/3/23 1:12
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日々の生活に欠かせない基礎インフラの水道がピンチを迎えているのをご存じだろうか。高度成長期につくった管路などの設備が老朽化し、各地で年間2万件以上の漏水や破損事故が起きている。飲み水の安全などを担当する技術者も高齢化し、小規模の市町村では人材補給もままならない。

こうした状況を克服するためのカギが、事業の広域化と官民連携だ。政府が今国会に提出した改正水道法案も、両施策の推進を盛り込んだ。持続可能な水道サービスをつくるために、国と自治体、関連企業が力を合わせるときだ。

電力などの他のインフラビジネスに比べ、水道の特徴は事業主体が各地の市町村であり、事業規模が小さいことだ。

全国で約1300強の公営事業体があるが、給水人口が5万人以下の800強の事業体では年間の収入が平均で10億円に満たない。事業採算も厳しく、約3割の自治体で給水コストを水道料金でまかなえない原価割れが続いている。「水道は独立採算」の原則が揺らいでいるのだ。

まず必要なのは近隣自治体の水道事業を統合することで、事業基盤を拡大・強化することだ。群馬県東部の太田市や板倉町など8市町が一昨年4月に上水道事業を統合したのが先駆け的な例のひとつだ。こうした広域連携を促していくことが重要だろう。

その上で「民」の力を上手に活用したい。浜松市は下水道処理施設の長期にわたる運営権を、水処理大手の仏ヴェオリアやオリックスからなる企業連合に売却した。資材調達などを効率化することで、市が運営するより大幅なコスト減が期待できるという。宮城県も上下水道一体型のコンセッション(運営権売却)を検討中だ。

民の技術力や資金力を生かすことで水道事業の収益が上向けば、老朽インフラ更新のための投資余力が生まれる。今後不可避とみられる水道料金の値上げ幅も抑制できるはずだ。危機を回避するため、早め早めに手を打ちたい。

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