2018年10月16日(火)

安全運転で始まったパウエルFRB体制

2018/3/23 1:12
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米連邦準備理事会(FRB)が、2月に就任したパウエル議長のもとで初めての政策金利引き上げを実施した。利上げは市場の予想通りで、今年の利上げペースも今回を含め年3回というシナリオを維持した。まずは安全運転の滑り出しという印象だ。

金融政策を議論する米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーによる経済成長率予測(中央値)は、18、19年ともに上方修正になった。昨年議会が決めた大型減税の効果などが今後出ることもあり、パウエル議長は「景気見通しはこの数カ月間で強まった」と指摘した。

金融市場関係者は、昨年12月時点で「18年は利上げが年3回」だったFOMCメンバーによる見通し(中央値)が、今回の会合で「年4回」に増えるかどうかに注目していた。景気判断は上方修正したものの、利上げ見通しが「年3回」にとどまったことで、利上げ決定後も市場の大きな変動はみられなかった。

FOMCでは景気判断は上方修正したものの、物価上昇率については18年10~12月期で1.9%にとどまるという見通しを据え置いた。物価上昇が落ち着いている間は、現在のペースで緩やかな利上げを進めていけそうだ。

ただ、今後の景気・物価情勢しだいでは今年の利上げが年4回になる可能性もある。パウエル氏が就任した直後の2月上旬には、米利上げペースが速まるのではないかという観測などから、世界的な株安が広がった。利上げのペースを修正する場合は、パウエル議長の市場との対話の手腕が問われることになりそうだ。

今年11月の中間選挙をにらんで短期志向の経済政策運営を強めるトランプ政権とFRBの関係も気になるところだ。インフレの懸念が強まり、FRBが利上げペースを速めようとした時に、トランプ大統領から金融政策に横やりが入る恐れもある。

FRBの金融政策は米経済の状況をみながら運営するのが基本だが、米金融政策は金融・為替市場を通じて世界に波及する。パウエル議長には、ドル建て債務を抱える新興国の政府や企業への影響などにも十分目配りしてほしい。

大規模な金融緩和から出口に向かう動きは、米国、欧州、日本で局面が異なっており、日米欧の中央銀行の間で意思疎通をしっかりすることが重要になる。

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