2019年3月22日(金)

2期目の黒田日銀は政策検証を柔軟に

2018/3/22 0:26
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日銀の副総裁に雨宮正佳理事と若田部昌澄早大教授が就任し、4月から2期目に入る黒田東彦総裁の日銀の新体制が動き出した。今後5年の任期中には、デフレ脱却を確かなものにするとともに、大規模な金融緩和の出口の道筋をつけることが重要な課題になる。

黒田総裁は2013年4月に「2年間で2%の物価安定目標を達成する」として国債購入など大規模緩和を始めたが、5年近くたっても消費者物価上昇率は1%に満たない。日銀は19年度頃には2%を達成するとしているが、民間エコノミストの間では達成を危ぶむ声も少なくない。

物価目標は達成できなかったが、この5年で物価が継続的に下落する状況は脱し、円安や株高の効果もあって企業収益は拡大、雇用環境も改善した。一方、マイナス金利など超低金利政策は、利ざや縮小による地方金融機関の経営悪化など副作用ももたらした。

日銀は再びデフレに戻らないよう金融緩和を続ける姿勢を示している。業績好調な企業が賃上げし、消費拡大を伴う物価上昇への好循環を生み出すことは重要だ。

ただ今後5年を展望すれば、金融緩和の出口の道筋をしっかりと議論することも必要になる。日銀は16年9月に金融緩和策の効果と副作用を総括的に検証し、操作目標を資金供給の量から金利に移す政策の調整を実施した。

日銀は今後も金融政策の検証を柔軟に進め、必要な修正はためらうべきではない。もちろん、そのためには金融市場に混乱を与えないよう市場と十分な対話をすることが重要になる。

日銀の新副総裁のうち雨宮氏は理事として黒田総裁を支えてきたので考え方に大きな違いはないが、若田部氏は学者時代に国債購入増額など追加緩和を主張していたこともあり、副総裁としての発言に注目が集まっている。総裁と副総裁の政策方針が大きく異なるようなら、市場への情報発信で混乱が起こる恐れもある。

日銀の政府からの独立性を強化した新日銀法の施行から今年で20年になる。日銀の国債大量購入は、政府の財政規律を緩める要因になっているという指摘もある。

日銀は、日本経済の残る課題である成長力を高める構造改革と財政健全化の実行を政府に求めていくべきだ。金融緩和に過度に依存した経済運営を永遠に続けることはできない。

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