2018年9月25日(火)

国際協調派が去った米政権が心配だ

2018/3/14 23:29
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 トランプ米大統領がティラーソン国務長官を解任した。コーン国家経済会議委員長に続く国際協調派の退場により、政権は「米国第一」への傾斜をいままで以上に強めるに違いない。どうすれば世界の安定を取り戻せるのか。日本をはじめとする主要国は手を携え、「自由と市場経済」の旗を高く掲げる必要がある。

 ティラーソン氏は石油大手の会長から政権入りした。仕事絡みのお友だち人事とされたが、推薦したのは共和党でも穏健派のライス元国務長官。話し合い外交を志向し、トランプ氏が主張するイランとの核合意破棄に反対したため、更迭説が出回っていた。

 コーン氏は鉄・アルミへの関税追加に異を唱えたが、トランプ氏の理解を得られなかった。今後は対中強硬派で知られるナバロ通商製造政策局長らが経済政策で発言権を強めるとみられる。

 ほかにも政権幹部の入れ替えは日常茶飯事である。発足1年でホワイトハウスの主要ポストの過半数が交代した政権は初めてだ。

 さらに政権の要であるケリー首席補佐官、外交政策を差配するマクマスター国家安全保障担当補佐官にも更迭説が流れている。5月末までに開くと発表した米朝首脳会談が本当にできるのかさえ、危ぶむ向きがある。

 ドタバタ劇の背景にあるのは、11月に迫った中間選挙へのトランプ氏の危機感だ。連邦議会の下院は大統領の弾劾開始を決める権限を持つ。与党・共和党が過半数を維持できるかどうかは政権の先行きを大きく左右する。

 13日にペンシルベニア州であった下院補欠選挙は、共和党の金城湯池にもかかわらず大接戦になった。トランプ氏は政権維持のため、白人貧困層に受けがよい保護貿易や孤立外交の色彩を一段と強めていくことだろう。このままでは世界は弱肉強食の時代に逆戻りしかねない。

 主要国はこうしたトランプ流外交に一致団結してノーを突きつけるべきだ。不当な関税に関しては世界貿易機関(WTO)への提訴という手もある。

 トランプ政権は安全保障と絡めて国によってはお目こぼしする可能性をほのめかしている。「適用除外」を受けられるかどうかにかかわらず、日本はWTO違反には断固した姿勢で対処し、ルールにもとづいた世界経済の発展に汗をかかなくてはならない。

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