2018年9月21日(金)

企業と株主の対話通じた統治改革急げ

2018/3/14 0:21
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 日本の企業統治(コーポレートガバナンス)改革は株主主導の側面が一段と強まりそうだ。金融庁が13日にまとめたガバナンス改革案からは、そんな方向性が見てとれる。経営者は株主とのさまざまな対話を通じて、企業価値の向上に努めるべきだ。

 金融庁がまとめたのは上場企業を対象にした「企業統治指針」の改訂版と、新設の「投資家と企業の対話ガイドライン」だ。

 安倍晋三首相の経済政策の一環として始まったガバナンス改革は、当初から株主との対話に軸足を置いた。しかし、企業の自主性に委ねられる部分も多く戸惑いの声も強かったため、市場関係者の意見を聞いて対話ガイドラインがつくられることになった。

 持続可能な成長戦略づくりや取締役会のテコ入れなど、改訂版の統治指針が求めるものは幅広い。その実効性を高める意味で、「投資家と企業の対話」の果たす役割はきわめて重要だ。

 ガイドラインで目を引くのは、最高経営責任者(CEO)の選解任が透明で適正なものかどうかについて、株主と企業で対話するよう求めている点だ。グローバル競争を勝ち抜くうえで、経営トップの資質や指導力の重要性は高まっている。前例や慣習にとらわれない経営者の育成策や選出方法が模索される必要がある。

 またガイドラインは、企業が株式を相互に保有する持ち合いについて、企業が具体的な便益を説明するよう求めた。資産効率の低さは日本企業の長年の弱みであり、その大きな原因のひとつとして株式持ち合いがある。企業は説明できない保有株式の売却をためらうべきではない。

 新しさを感じるのは、企業年金が運用の専門性を十分に備えているかどうか、企業と株主に目配りを求めている点だ。

 米英では企業年金がガバナンス改革に影響力を持つ。対照的に日本では、投資やガバナンスの専門家が少ないため、企業への働きかけに消極的な年金基金も多い。ガイドラインは企業と株主が年金基金の人材登用・配置を点検するよう求めるなど、踏み込んだ内容となっている。

 すでにパナソニックエーザイの企業年金が企業との対話に前向きな姿勢を表明するなど、ガバナンス改革を先取りする動きが出始めている。この流れを加速させるべきだ。

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