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行政の信頼損なう「森友文書」の解明急げ

学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、14件の文書を書き換えていた事実を財務省が認めた。国会での追及をかわすため、不都合な記述を組織ぐるみで隠蔽した構図が浮かび上がった。

行政への信頼を失墜させる行為である。政府内のどこまでが知っていたのか。責任の所在を含め全容の解明を急ぐ必要がある。

財務省は12日、国会に調査結果を報告し、昨年2月下旬から4月にかけて国有地の貸付決議書と売払決議書など5件を書き換え、それを反映させる形で他の9件の決裁文書を修正したと公表した。

これまでに開示された文書では「本件の特殊性」「特例的な内容」などの文言が削られ、「学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格提示を行うこととした」との記述もなくなっていた。

元の文書には、学園側が小学校の建設計画に関して「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と言及した記載があった。与野党の議員や秘書らの発言や対応内容も含まれていた。

麻生太郎副総理・財務相は記者団に、書き換えの最終責任者は当時の佐川宣寿理財局長で、同氏の国会答弁に合わせて修正したと説明。「極めて由々しきことで誠に遺憾。おわびしたい」と述べた。一方、自らの辞任は否定した。

決裁文書の大幅な書き換えが判明したのを踏まえ、野党は安倍政権の責任をさらに追及していく構えだ。麻生財務相に辞任を迫り、佐川氏や昭恵首相夫人らの証人喚問を求めている。評価額約9億5千万円の国有地が8億円強も値引きされた背景に、政治の働きかけや官僚の忖度(そんたく)があったのかどうかが焦点だ。

安倍政権では南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣した自衛隊の日報の隠蔽が昨年春に明らかになり、当時の稲田朋美防衛相が引責辞任した。加計学園の獣医学部新設では文部科学省の内部文書の扱い、裁量労働制をめぐる不適切データ引用では厚生労働省の情報管理が問題となった。

行政判断が適切だったかどうかを検証するため、公文書管理や情報公開の制度が設けられている。最近はその趣旨に反するような不祥事が続出している。今回も財務省の一部局の問題とは言い切れず、政府全体で事実解明や再発防止に取り組む必要がある。

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