2018年9月20日(木)

女性の就労支える改革を加速させよう

2018/3/7 23:18
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 仕事と子育ての両立が難しい。その象徴となってきたのが「M字カーブ」だ。出産や育児を機に、職場を離れる女性が増える。その分、この年代で女性の人口に占める労働力の割合が落ち込み、グラフにするとMの形になるのだ。

 欧米の先進国ではこうした落ち込みはない。ここにきて日本でもMの底が上がってきた。だが、課題はなお多い。女性の意欲と能力を生かすためにも、人口減少に直面する日本の経済を成長させるためにも、一層の改革を急ぎたい。

 総務省の調査によると、働いている人と、働いていないが積極的に仕事を探している人の割合は2017年、30歳代前半の女性で75.2%、30歳代後半の女性で73.4%だった。いずれも05年と比べると、10ポイント以上高くなった。未婚者のほうがより高いものの、夫がいる人でもほぼ3人に2人にまで上昇している。

 だが、手放しでは喜べない。女性は待遇の低い非正規で働いている人が多いうえ、正社員として働いていても、十分に力を発揮できているとは限らないからだ。

 例えば、管理職に占める女性の割合は、日本では1割強だ。3~4割の欧米に比べて低い。男女の賃金格差も大きい。M字カーブの解消に向けた動きは、いわば途中経過だ。

 真の女性活躍へ、なすべきことは明確だ。まずは保育サービスの拡充である。待機児童の数は、17年春まで3年連続で増えた。政府は「待機児童ゼロ」を達成する時期を、20年度末まで3年先送りしている。今度こそ達成を急いでほしい。

 さらに重要なのは、職場の改革だ。長時間労働が恒常化した職場では、仕事と子育ての両立は難しい。男性が育児を分担できず、少子化の要因にもなっている。在宅勤務など柔軟な働き方を増やしたり、時間でなく成果で評価したりすることが欠かせない。女性の育成・登用を着実に進めるためにも、これらの取り組みが大事になる。

 一方、非正規で働いている人への対応もカギを握る。研修の機会を増やし、正社員に転換できるルートを設ければ、潜在的な力をより引き出せるようになるだろう。

 女性の活躍を促す改革の多くは女性のためだけのものではない。家族を介護している人、持病がある人、高齢の人。あらゆる人の活躍を支える。多様な人材を花咲かせる、豊かな土壌をつくりたい。

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