2018年11月17日(土)

春秋

2018/3/3 1:14
保存
共有
印刷
その他

「ものづくりニッポン」は本当に大丈夫なのか、改めて心配になる。JR西日本の新幹線「のぞみ」の台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題は、驚くような原因が明らかになった。そもそも製造元の川崎重工業が規定に反して、台車枠を薄く削り込んでいたのである。

▼亀裂を見逃し、運行を続けた鉄道会社もひどいが、台車は最初から強度が足りなかったわけだ。同様の不備がある台車はJR西と東海の計147台に上るから、ただごとではない。何しろ超特急である。「安全を確認しながら走らせて、順次新しい台車に交換する」という対応に空恐ろしさを感じる人もいるのではないか。

▼ものづくりの劣化を象徴する話だが、製造元の記者会見を聞くと、責任を現場に押しつけているような印象がある。昨年相次いだ自動車メーカーなどの不祥事でも同じような物言いが繰り返され、既視感も漂う。製造の現場に安全を軽視する姿勢がはびこっているのだとすれば、それはただちに経営トップの責任のはずだ。

▼「従業員は、会社が自分を扱ったようにお客を扱う」。サービス業の世界にはこんな戒めがある。厳しい国際競争やコスト削減の圧力にさらされていることはわかるが、結果として現場に過剰な負担をかけてはいないか。まさか工場で働く人たちが「会社に扱われているように製品をつくっている」などとは思いたくない。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報