春秋

2018/2/27 1:00
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昔話では似た場面を繰り返す手法がよく使われる。経済の状況で「適温」を表すゴルディロックスという名の少女が登場する「3びきのくま」。森でくまの家が留守の間に、ちょうどいい熱さのおかゆを食べて、ぴったりの椅子に座り、ほどよい固さのベッドにもぐる。

▼芥川龍之介の「杜(と)子春(ししゅん)」もそうだ。一文なしの若者は不思議な老人の力で一夜にして大金持ちになるが、客と連日の酒盛りをし数年で使い果たす。こんな愚行を2度重ね、金がないと近寄っても来ない薄情な人間に愛想つかし仙人を志した。富や権勢は長続きしない例えか。歴代王朝の盛衰のさまを示唆したかにも思える。

▼そんな歴史の教えのようなものに挑もうというのか。中国共産党が習近平国家主席の2期10年の任期を撤廃する憲法改正を提案したと報じられた。昨年10月の党大会では後継を明確に指名せず、長期政権への布石を打っている。建国の父、毛沢東への過度な権力集中が、自らも含め人民に苦汁をなめさせた事実は忘れたか。

▼習氏に対しては、毛が死去した満82歳まで国のかじ取りをしたいのではとの見方もされている。2035年だ。終身制も視野にあるのかもしれない。ちなみに毛の死後、ひと月足らずで側近の四人組は逮捕され、政策は大きく変わった。こんな繰り返しに人民は混乱しまいか。内外で鼻息の荒い「核心」。世界を揺さぶる。

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