2018年7月22日(日)

多様性に富む取締役会で経営に強さを

2018/2/26 1:03
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 望ましい企業統治のあり方を示す「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)の改訂に向けた議論が進んでいる。投資家など外部の声を経営に反映させ、企業の競争力を中期的に高めていくのが狙いだ。

 最重点の1つが、社外取締役の選任をさらに促すことだ。現在の指針が定める「2人以上」の目標を「3分の1以上」に改める見通しという。

 世界の大企業は社外取締役を増やすだけでなく、性別や国籍、年齢などの面から見て様々な人材を取締役会に入れる傾向が強まっている。日本のガバナンス改革においても、取締役会の多様性の視点を強く意識すべきだ。

 現在のガバナンス・コードはアベノミクス(安倍首相の経済政策)の一環として、15年に金融庁と東京証券取引所が適用を始めた。強制力はないが、従わない場合は投資家に対して理由を説明しなければならない。

 指針の求めに応じて、現在は東証1部上場企業の約9割が2人以上の社外取締役を選任する。しかし、米欧アジアの企業を比較して投資する年金基金などの目には、不十分と映るという。海外のグローバル企業は取締役会の半数以上を社外の人材が占める事例が多いからだ。

 指針を「社外取締役を3分の1以上」と変えるのは世界の潮流を意識してのことであり、方向性は評価できる。

 ただ、現状では社外取締役の候補者が不足気味との指摘も強い。企業経営者でつくる民間組織、日本取締役協会などが中心となり、取締役候補者の登録やあっせんといった取り組みをいっそう強める必要がある。

 さらに、取締役会メンバーの顔ぶれを多彩にする努力も重要になってくる。社外取締役の候補を女性や外国人などに広げれば、選択肢はぐっと広がる。

 助言会社プロネッドの調べでは、日本の1部上場企業の25%が女性の社外取締役を選任している。外国人社外取締役を選ぶ企業は4%だ。若手の登用などを含め幅広い世代から候補者を探せば、さらに増やせるはずだ。

 多様性に富む取締役会は異なる視点が経営に反映されるため、偏った集団思考に組織が陥るのを防ぎやすいとされる。企業が環境の変化に適応する強さを得ることにもつながるはずだ。

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