2019年4月24日(水)

中古住宅の流通促す契機に

2018/2/24 0:33
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しっかりとした中古住宅にお墨付きを与える新しい制度が4月に始まる。国が定めた基準を満たす物件に標章の使用を認める仕組みだ。中古住宅の取引を活性化する契機にしたい。

日本ではすでに住宅の総数が世帯数を大幅に上回っている。新規建設よりも既存の物件を生かすことが重要だが、住宅流通に占める中古物件の割合をみると、日本は欧米よりもかなり低い。

特に低調なのが戸建て住宅だ。首都圏のマンション市場では2年連続で中古の成約件数が新規物件の発売戸数を上回ったのに、戸建ては伸び悩んでいる。

背景にあるのは消費者の不安だろう。物件を選ぶ際の情報が今でも、築年数や立地、間取りなどに限られているためだ。購入後に水漏れなどが発覚し、トラブルになる場合もある。

新制度では耐震性があり、インスペクション(住宅診断)の結果、構造上の不具合などがない物件に「安心R住宅」という標章の使用を認める。リフォーム工事をしていない場合は、一般的に必要なリフォームとその費用を提示することも条件にしている。

国に登録した業界団体を通じて使用を認める仕組みで、すでに大手住宅メーカーで構成する「優良ストック住宅推進協議会」などが登録している。

消費者からみれば、一定の水準を満たす物件かどうかを判断する新たな目安になる。リフォームの必要性や大まかな費用がわかることも大きな利点だろう。まずはこの制度を普及させたい。

ただし、新制度は住宅市場を変える一歩にすぎない。日本の住宅は築20年を超すと建物の価値がほぼゼロになる場合が多い。建物の状況に応じて適切に評価する手法をもっと広げる必要がある。

国土交通省が今回の制度を空き家対策のひとつの柱と位置付けている点も気になる。中古住宅の流通を促すことは大事だが、住宅建設のあり方も見直さないと、空き家は増え続けるだろう。

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