2018年10月20日(土)

民泊を地域の観光振興にうまく生かそう

2018/2/24 0:33
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6月の民泊新法の施行を前に、部屋の所有者などによる自治体への届け出の受け付けが3月15日に始まる。増える外国人観光客を地域で受け入れ、ファンになってもらう有力な手段が民泊だ。地域振興にうまく生かしたい。

住宅の空き部屋などに旅行者を有料で泊める民泊は各国で普及しており、日本でも相当数の物件がすでに稼働している。しかしこれまでは法律上の位置づけがあいまいだった。

民泊新法で営業のために必要な手続きなどが定められた。これを機に、大手企業も運営や仲介、管理代行などに相次ぎ乗り出している。住宅の所有者や自治体が民泊という仕組みを活用しやすい環境が整えられたといえる。

民泊を通じ、農村など既存の宿泊施設が十分ではない地域も観光客を誘致しやすくなる。日本で普通の生活文化を体験したい外国人は増えている。部屋数にゆとりのある農家や、あまり使われていない別荘などを活用すれば観光客には喜ばれ、地域もうるおう。

民泊新法は年間の営業日数の上限を180日までと定めた。そのうえで、各自治体は条例により、営業可能な日数を180日よりさらに短く制限できることとした。この「上乗せ規制」に乗り出す自治体が、すでに旅行者の多い大都市などで目立つ。

自治体による独自規制が広がる背景のひとつに、身近な生活の場に外国人観光客が増えることへの漠然とした不安や、これまで一部の民泊でゴミ出しや騒音などの問題が発生したことがある。

新法では、こうした問題が起きた場合、部屋の所有者や管理を委託された会社などが協力し対処する仕組みを作った。民泊運営に携わる所有者や企業、公的機関はトラブルなどにきちんと対応し、民泊への信頼を築いてほしい。

また、地域での民泊が条例で制限されることは、不動産所有者にとって収入や楽しみ、生きがいを得る選択肢が減ることになるとの指摘もある。各自治体は上乗せ制限を検討する場合、多様な意見に耳を傾けたうえで判断したい。

ネットを使い所有者と宿泊者をつなぐ仲介業者も、新法により観光庁への登録が必要になった。登録されていない物件所有者や仲介業者による営業が続くようでは、民泊の健全な発展につながらない。違法営業への監視や取り締まりにも今後は力を入れたい。

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