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ネットの健全化と広告の役割

食品や日用品の大手、英蘭ユニリーバが不適切なコンテンツを放置する交流サイト(SNS)などとの広告の取引を全面的にやめる方針を決め、フェイスブックやグーグルといった米国の大手ネット企業に対応を促した。

ネット空間では差別や憎悪を助長するコンテンツの拡散や、著作権の侵害などが深刻な問題になっている。年間1兆円規模の広告費を投じるユニリーバの決断が、ネットの健全な発展につながるか注目したい。

消費者がネットを使う時間が長くなっていることを背景に、ネット広告の市場規模は急速に拡大してきた。2018年には長年にわたって中心だったテレビを上回るとの予想もある。

ここ数年は一人ひとりの消費者の好みや行動に合った広告を自動的に配信する技術が発達し、ネット広告の市場拡大を後押しした。一方、配信システムが複雑になり、企業の意図に反するサイトに広告が載る危険性が高まっている。

こうした広告は企業のブランド価値を損なうだけでなく、質の低いサイトを運営する企業に収益を得る手段を与える。

ネット企業は自ら運営するサイトの質を保ち、広告を配信する際は低質なサイトを対象から外すことが重要だ。一時的に収益が犠牲になっても、そのための技術開発を優先すべきだ。

広告費を払う大手企業の果たす役割も大きい。ネット企業は収益の多くを広告に依存しているためだ。ネット企業に対して質を保つための技術開発を強く求める必要がある。自動的に広告を配信するシステムに頼らず、信頼性が高いサイトに広告を直接出稿することも検討課題となる。

こうした動きは大統領選で偽ニュース問題が注目を浴びた米国や、個人の権利に対する意識が高い欧州が先行している。日本の大手企業の間では「広告会社に任せている」との姿勢が目立っているが、自らの影響力の大きさを認識して積極的に動くべきだ。

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