2018年7月22日(日)

日本企業のCEOの競争力を高めよう

2018/2/20 23:05
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 春の人事の季節を迎え、社長や最高経営責任者(CEO)の交代の発表が相次いでいる。グローバル化やデジタル化の波がおし寄せ、日本企業の経営環境が急変する中で、リーダーの優劣は会社の盛衰に直結する。

 今年の新社長の顔ぶれを眺めると、一つの特徴が浮かび上がる。過去に子会社や関連会社で経営に携わり、成果を上げた人が目立つことだ。東京急行電鉄の社長になる高橋和夫取締役専務執行役員は子会社の東急バスに長らく出向し、不振続きのバス事業の再生に手腕を発揮した。

 伊藤忠商事の鈴木善久、ソニーの吉田憲一郎の各次期社長も、それぞれ航空機内装品とネット関連のグループ会社のトップとして実績を残した。

 本体に比べて小さいこうした会社での陣頭指揮の経験は、いわば経営者としてのオンザジョブトレーニング(実地訓練)であり、経営に必要な判断力や知見、交渉術、人脈などを身につける格好の機会といえるだろう。本社の中枢部門を歩むエリートよりも、子会社経験組の中から経営者が輩出される時代の到来かもしれない。

 これまで日本企業のトップは社内各部門の意見をまとめる「調整型」が多かったとされる。だが、先行きの不透明感が増す中で、今後はトップ自らビジョンを打ち出し、組織を引っ張る「変革者」としての役割が重要になろう。

 こうした本格的なリーダーを生み出すために、企業は幹部候補生の育成や選抜にもっと早めに取り組む必要がある。50歳近くまで同期と横並びで昇進し、大きな仕事に取り組むのはそれ以降、というのではスケールの大きな経営者は生まれにくいのではないか。

 東芝アシックスで誕生する、異業種出身の外部経営者の手腕にも注目したい。

 経営者個人の備えるべき条件として、今後、業種を超えて重要性を増すのはグローバル経験とデジタル技術への適応力である。

 経済同友会は昨年、デジタル化の衝撃を肌身で理解するために、経営者自ら交流サイト(SNS)などの新サービスを使いこなすことが望ましいと提言した。

 グローバル経験についても、西欧企業の新任CEOの53%は自国外の勤務経験があるのに対し、日本企業のそれは17%にとどまっている、というデータもある。なお道半ばと言わざるを得ない。

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