2018年10月20日(土)

再エネの自立に向けてコスト低減を急げ

2018/2/19 0:08
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太陽光や風力など再生可能エネルギーはできるだけ伸ばしたい。普及を促す政策支援は重要だ。ただし、国民に過度の負担を強いて割高な再エネを買い支え続けることがあるべき姿ではない。

大切なのは火力など他の発電方法なみのコストを早期に実現し、再エネの自立を急ぐことだ。

経済産業省の有識者委員会は、再エネの固定価格買い取り制度に基づく事業用の太陽光発電の買い取り価格を、2018年度は1キロワット時あたり18円とする案をまとめた。約14%の引き下げとなる。

固定価格買い取り制度は、割高な再エネの調達を電力会社に義務付けて普及を促す仕組みだ。費用は電気料金に上乗せされ消費者が負担することになっている。

太陽光に限れば、12年度の制度導入から6年連続で買い取り価格は下がり、制度開始時点と比べれば半値以下になる。再エネの導入量は制度前に比べ2.7倍に増えた。普及に一定の成果があったと言えるだろう。

ただ、海外では同じ期間にもっとコストが下がった。日本の太陽光発電の買い取り価格は、ドイツやフランスなど欧州諸国に比べて2倍、風力も2~3倍高い。

電気料金に上乗せされる再エネの負担金は標準家庭で年間約8200円と、制度開始前と比べて電気料金を1割以上押し上げた。再エネが増えてもコストの高止まりが続けば、消費者の負担は膨らみ続ける。17年の国民負担は約2兆円。30年までの負担総額は約44兆円との試算もある。

買い取り制度に頼り続けるのではなく、再エネを伸ばしながらコストを下げる方法を考える必要がある。ひとつの策として、国は昨年から大規模な太陽光発電で入札制を導入した。事業者の競争を促す取り組みで意義は大きい。

とはいえ、昨秋に実施した初めての入札では、募集した50万キロワットの枠に対し落札は14万キロワットにとどまった。低調に終わった要因を突き止める必要がある。

経産省によれば日本の太陽光の発電設備は欧州に比べ1.7倍、工事費は2倍高い。太陽光パネルは国際的に流通するものを使っているので、流通コストや建設工法に改善の余地がうかがえる。

日本の再エネは太陽光が先行している。風力や地熱、中小水力などのコスト低減も同時に探り、多様な再エネをバランス良く伸ばしていかなくてはならない。

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