2018年7月22日(日)

株主との対話を深める会社法の改正に

2018/2/17 21:45
保存
共有
印刷
その他

 法制審議会(法相の諮問機関)が会社法改正の試案をまとめた。一般からの意見を募ったうえで、2018年度中に要綱案をまとめる。政府は19年通常国会への改正案提出を目指すという。

 今回の改正の狙いは、企業と株主が対話を深めるための仕組みを整えることにある。法改正の議論をきっかけに企業統治(コーポレートガバナンス)の諸ルールも点検し、企業の活力を十分に引き出せる環境をつくりたい。

 試案の柱のひとつは株主総会の活性化だ。そのために、事業報告書などの総会資料をインターネットで早めに開示し、株主が時間をかけて経営状況を点検できるようにする案を示した。

 企業の間には、新制度の導入によって実務の負担が増えることへの警戒もあるという。ただ、株主に会社をよく理解してもらうことは経営にもプラスのはずだ。投資家の利便性も考慮して効果的な情報開示の制度を考えたい。

 試案はまた、株主が提案できる議案数を制限する方向を示した。これについては、株主の声を封じる手段として使われかねない、と危惧する声がある。

 一方で現実には、特定の株主が経営に関係なさそうな議案を大量に出して他の一般株主を困惑させる事例が、散見される。

 海外では提案数などを制限している国が珍しくない。国際的な整合性にも目配りしながら、企業と株主が建設的な議論をしやすい枠組みを整えるべきだ。

 法制審の議論では、社外取締役の選任を会社法で義務づけるべきか否か、という点に関心が集まった。試案は義務づけについて支持する見解と、消極的な声の両論を併記している。

 現状では、金融庁が上場企業の守るべきコードを定め、そのなかで社外取締役の選任を強く促している。そして選任しない場合は理由の説明を求めている。

 「順守か、説明か」(コンプライ・オア・エクスプレイン)と呼ばれるこの手法は効果を発揮しており、現在は9割超の上場企業が社外取締役を選任している。こうした状況を踏まえれば、不選任のより詳しい説明をコードで求める、という方法も考えられよう。

 社外取締役が実際にどんな役割を発揮しているのか、検証を求める声もある。制度の実効性を高める手だてを、広い視野で検討する必要がある。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報