2019年5月27日(月)

アフリカの飛躍につなげたい

2018/2/16 23:16
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南アフリカのズマ大統領が辞任した。汚職疑惑や景気の低迷に国民の批判が噴出し、2019年までの任期を前に退陣を余儀なくされた。新たな大統領にはラマポーザ副大統領が就いた。

南アは20カ国・地域(G20)の一角を占めるアフリカの大国だ。アフリカの飛躍には要となる南アの安定が欠かせない。政権交代を政治の透明性を高め、経済を立て直す機会にしてもらいたい。

ズマ氏は故マンデラ元大統領とともに、白人政権下でアパルトヘイト(人種隔離)政策に抵抗して投獄された経験を持つ闘士だ。しかし、09年の大統領就任後は公金の私的流用や、富豪との癒着などの疑惑が次々と表面化した。

昨年12月には与党アフリカ民族会議(ANC)の議長(党首)選挙で、ズマ氏が推す元妻がラマポーザ氏に敗れ、ANC内でも退陣を迫る圧力が強まっていた。

南アには世界最大の埋蔵量を持つプラチナをはじめ豊かな鉱物資源がある。資源ブームを背景に高い成長を遂げたが、ここ数年の資源安は経済の低迷を招き、政治の混乱が国際的な信用低下に拍車を掛けた。ラマポーザ新大統領の下で混乱の早期収拾を望みたい。

アフリカでは建国の英雄や軍の指導者が政権の座に就いた後、在任期間の長期化に伴って強権化し、近親者の優遇や利権をめぐる腐敗が国政を停滞させる例が見受けられる。

それを許さない土壌が育ちつつある。昨年11月にはジンバブエで独立以来37年にわたり実権を握ってきたムガベ大統領が辞任に追い込まれた。北アフリカのチュニジアやエジプトでは市民の民主化要求運動が長期独裁政権を倒した。国際社会も法の支配や民主主義の定着を後押ししていきたい。

人口10億人を数えるアフリカは市場としての魅力も大きい。一方で貧困の解消やインフラ整備、雇用の創出、拡散するテロへの対策などまだまだ課題も多い。これらの克服に共に向き合うことが政治の安定にもつながるはずだ。

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