松井忠三(16)良品計画出向
課長でも会社変えられる 資格制度を新設 組合を説得
[有料会員限定]
「松井君、ちょっと」。人事部長から、本社のある池袋サンシャインシティ47階にある会議室に来るようにいわれた。「良品計画に行ってもらうよ」。1991年(平成3年)2月、西友から89年に分社化していた良品計画への出向を告げられた。断れるわけもなく、その場で「わかりました」と頭を下げる。41歳。
驚いたのは肩書だった。総務人事課長。西友では子会社出向の場合、現在の役職よりも1、2段階上になるのが慣例だ...

「無印良品」を展開する良品計画元会長の松井忠三氏。業績がどん底だった頃に社長に就任し、徹底した社風改革によって会社とブランドを再生させた立役者だ。無印良品の歴史と、松井氏の歩みを重ねながら波乱万丈の道のりを振り返る。