2018年12月17日(月)

主権者教育を実りあるものに

2018/2/15 23:18
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2022年度から高校の公民科に新たな必修科目「公共」が導入される。選挙権年齢が18歳以上に改正されたことに対応し、主権者教育を充実させる。社会参画に必要な判断力などを養うには、教室での座学だけでは限界がある。実りある授業に向け、地域社会との協働が不可欠だ。

文部科学省は学習指導要領を改訂し公共を新設。現行の「現代社会」は廃止する。社会の課題などを客観的に学ぶ従来の教育課程を、投票を含む社会参画という「行動」に必要な知識、判断力、態度を身につける内容に刷新する。

憲法学習を例に挙げれば、条文の暗記ではなく、憲法原理や人権規定が、国や自治体の具体的な政策にどのように反映されているかなどを学ぶことが期待される。

発展的な学習では少子高齢化、社会保障と税源、国家財政など、「持続可能な社会」の課題に生徒自身がどう主体的に関与するかを統計資料などを基に論述させる。

こうした学習テーマは、政党間で意見が対立する事柄がほとんどだ。教育現場には、「政治的中立性をどう保つのか」という戸惑いもあるという。

ドイツでは国民的議論の末、(1)教員が生徒に自らの見解を押しつけない(2)実社会で意見が対立する問題は授業でも議論のあるものとして扱う(3)生徒の主体的な態度を育む――という政治教育に関する「中立3原則」を確立した。

意見の対立するテーマを教室から排除する中立ではなく、異なる意見の存在を認め、偏見を持たずに学習する「開かれた中立」を志向している。こうした事例も参考に、主権者教育の基本原則を共有することが大事だ。

日本学術会議は、社会の課題を生徒が「我が事」として実感できるよう、教室を飛び出し、学校が自治体、地方議会、企業などと連携する学習活動を提言する。

導入までの4年間で学校と地域との対話を深めたい。主権者教育の専門性を身につける教員研修や教員養成課程の整備も課題だ。

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