2018年8月21日(火)

佐川長官は逃げずに説明を

2018/2/13 23:07
保存
共有
印刷
その他

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、政府のこれまでの説明と食い違う資料が相次いで確認された。野党は昨年の佐川宣寿財務省理財局長の国会答弁は虚偽だったとし、改めて招致を求めている。佐川氏は国税庁長官に就任後、記者会見に応じていない。説明から逃げ回るような姿勢は国民の不信感を膨らませるだけだ。

 麻生太郎副総理・財務相は13日の衆院予算委員会で「(佐川氏は)国税庁長官として適任。職責を果たしてもらいたい」と述べ、野党の更迭要求を拒否した。国会招致にも慎重な考えを示した。

 佐川氏は国会答弁で森友側との交渉記録について「破棄した」と繰り返し、売却価格の事前交渉もしていないと明言した。だが判明した音声データでは、近畿財務局の担当者が値引き要請に対して「ゼロに近い価格まで努力する」などと語っていた。

 問題の本質は、国民の貴重な財産である国有地がなぜ8億円強も値引きされて売却されたかだ。安倍晋三首相の昭恵夫人は、学園が建設予定だった小学校の名誉校長に一時就いていた。学園側が交渉過程で昭恵氏の名前を何度も出していた経緯も分かっている。

 財務省は交渉経緯に関する資料を、昨年11月の会計検査院の検査報告書が出る前日まで提出しなかった。情報公開の請求があってから文書やデータを小出しにする対応は、政府ぐるみで何かを隠蔽している印象を与える。

 今国会では茂木敏充経済財政・再生相の秘書が選挙区内の有権者に線香などを配布していた問題も明らかになった。茂木氏は自身の氏名は明示しておらず違法ではないとの立場だが、「氏名を類推させる方法」であれば公職選挙法の買収行為にあたる。脱法的な軽率な行動との批判は免れない。

 野党はスーパーコンピューター開発をめぐる補助金詐取事件への政権の関与も追及している。様々な疑惑がすべて的外れだというのであれば、政府・与党は自ら進んで説明責任を果たすべきだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報