2018年5月20日(日)

南北首脳会談は非核化の進展が前提だ

2018/2/13 23:07
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 平昌冬季五輪をきっかけに韓国と北朝鮮が急接近し、南北首脳会談の開催案まで議題に上り始めている。北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける中での南北融和には懸念を拭えない。

 北朝鮮は五輪開会式に向けて金正恩委員長の妹の金与正氏、金永南最高人民会議常任委員長ら高官代表団を韓国に送り込んだ。

 与正氏は文在寅大統領との会談で金委員長の親書を手渡すとともに、南北首脳会談を開く用意があるとして「都合のいい時に来て下さい」と訪朝を招請した。

 文大統領は「これから条件を整えて実現していこう」と返答し、米朝対話にも積極的に取り組むよう求めた。

 同盟関係にある米国に配慮して即断は避けたものの、文政権はもともと北朝鮮との融和路線を志向しており、任期中の南北首脳会談にも強い意欲を示してきた。早期に訪朝したいとの思いがあるのは確かだろう。

 実際、文大統領は北朝鮮代表団の訪韓中、与正氏らと一緒にアイスホッケー女子の南北合同チームの試合を観戦したり、北朝鮮が派遣した芸術団の公演を観覧したりした。代表団への厚遇ぶりには、南北関係の一層の改善や首脳会談実現につなげたいとの思惑がうかがえる。

 北朝鮮も今回の代表団派遣が朝鮮半島の平和に向けた「意義ある契機」になったと評価した。金委員長は南北の和解と対話の雰囲気をさらに高めて「十分な結果を引き出すことが重要だ」と述べ、さらなる関係改善への具体策を指示したという。今後、南北首脳会談に向けた事前協議などを進める意向とみられる。

 核・ミサイルの挑発で世界を威嚇する北朝鮮に核放棄を促すべく、日米韓を軸に国際社会は「最大限」の制裁圧力をかけつつある。国際的な孤立を深める北朝鮮が韓国を揺さぶることで制裁包囲網に風穴を開け、日米韓の連携を弱体化させる意図があることは容易に想像できる。

 南北首脳会談が米朝対話、さらには北朝鮮の非核化進展に寄与しなければ意味がない。核・ミサイル問題を棚上げして南北関係改善を進めても緊張緩和は一時的で、北朝鮮によって核開発の時間稼ぎに利用されるだけだ。

 韓国は北朝鮮のペースに乗せられず、日米と協調しながら慎重に南北協議を進めるべきだ。

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