春秋

2018/2/13 1:25
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ドゥテルテ大統領の地元でもあるフィリピンのダバオ市は戦前、東南アジア最大の日本人街があった。マニラ麻を栽培しに多くの人が移ったためだ。そんな歴史を持つ都市との交流を、浜松市の静岡文化芸術大の学生が進めている。活動の中身は楽器の街・浜松らしい。

▼7人で「HANDS(ハンズ)」という組織をつくり、中古の鍵盤ハーモニカ約60台をダバオの公立小など3校に寄贈。現地を訪れて演奏の仕方を教え、帰国後、インターネット電話を使ってダバオと浜松の学校の合同演奏会を開いた。「生活や文化が違っても、つながることができる」。今後も音楽交流を続けるという。

▼こうした草の根の活動による結びつきが発展し、2つの地域は介護人材の育成でも協力することになった。ダバオの人材を浜松が技能実習生として受け入れ、介護の仕事をしながら腕を磨いてもらい、帰国してからも現地に新設する介護施設で働けるようにする計画だ。自分の国に戻った後のことも考えた点に特色がある。

▼いま外国人技能実習制度は現実には安い労働力の調達手段となり、途上国への貢献という本来の目的は置き去りにされがちだ。ダバオとの介護人材育成は、推進役の一般社団法人グローバル人財サポート浜松によれば、「技能実習本来の形をつくる」狙いもある。音楽から始まった民間交流が果実を生むことを期待したい。

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