2018年10月20日(土)

送電線の有効活用で再生エネを伸ばそう

2018/2/12 23:14
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経済産業省の有識者会議が、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた送電線の効率利用策の検討を始めた。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーはできるだけ伸ばしたい。だが送電線の容量に限りがあり、発電しても消費地へ送ることができない問題が、普及を阻む壁の一つになっている。

送電線の増設は手っ取り早い解決策ではあるが、巨額の資金を投じて利用率の低い設備を増やすべきではない。まずは既存の送電線を最大限、使う工夫を考えることが重要だ。

送電線は電力会社が保有・運用する。有識者会議はこの運用ルールを見直し、使われていない送電線の隙間を再エネ事業者などに開放する方法を検討する。

送電線に流せる電力の算定方法を見直したり、非常時に備え確保してある枠を平時に使えるようにしたりすることで容量を増やす。

送電線が混雑してきた場合は、送電を止めたり、減らしたりすることを条件に、希望する事業者に日々の運用で生じる隙間の利用を認める。

これらの手法を積極的に取り入れたい。送電線を増強する場合には多額の資金を要するため、できあがっても送電線の利用料が上がり、消費者が払う電気料金の負担が増えることになりかねない。

東北電力が有識者会議で検討されている手法を先取りし、東北北部の送電線建設計画を見直したところ、従来計画の1.6倍にあたる電力が送れることがわかった。

ただし、電力の安定供給を損なってはならない。非常時用の空き容量を開放しても、緊急事態でも問題なく送電を続けられる体制を整えなければならない。

送電線の隙間を使って電気を送る事業者に、混雑してきたときにどう手控えてもらうのか。ルール整備と混乱を回避するシステムの開発に万全を尽くす必要がある。

送電線の利用は現状では申し込んだ発電所に先着順で枠を割り振る。原子力や火力などの大規模発電では、事業性の見極めに送電枠の事前確保が欠かせない。先着制はやむをえない部分もある。

ただ、原発の再稼働が進まず、長期にわたり、その分の送電容量が使われずにいることに批判もある。再エネ発電事業者も含め、送電枠を確保したものの実際は使っていない事業者への対応も考えることが必要だろう。

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