2018年10月21日(日)

対アジアのEPAを21世紀型に改めよ

2018/2/11 23:21
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日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国は9日まで東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉会合を開いた。

関税やルールの自由化水準をめぐる意見の隔たりは大きく、今回も大きな歩み寄りはなかったもようだ。日本は質の高い内容で合意するよう中国やインドに粘り強く働きかけてほしい。

同時に、日本は新たな通商交渉に乗り出す必要がある。ASEANの7カ国とは2国間の経済連携協定(EPA)を結んでいる。ひとまずこれを各国と再交渉し、貿易・投資の自由化水準の高い21世紀型のEPAに改めてはどうか。

日本は2002年発効のシンガポールとの協定を皮切りに、アジアを中心に2国間EPAを順次結んでいった。他の地域より取り組みが早かった半面、今となっては時代遅れの内容になっている。

たとえば、7カ国との2国間EPAには、環太平洋経済連携協定(TPP)が定めている労働や環境といった分野のルールがない。最大の問題は電子商取引のルールが定められていない点だ。

TPPは、国境を越えて自由に情報を移動できるようにしたり、各国が外国企業にサーバーを自国内に置くよう要求するのを禁じたりしている。こうした電子商取引の規定を既存の2国間のEPAに付け加えるべきだ。

中国は外国企業が中国国内の事業で得たデータや情報を国外へ持ち出すのを禁じている。

自由で開かれたデータの流通は、21世紀の経済成長の源泉でもある。中国の「デジタル保護主義」というべき動きがアジア域内に広がるのを食い止めるためにも、日本が2国間EPAの改定に率先して動く必要がある。

まず最優先すべきは、TPPに不参加のタイ、インドネシア、フィリピンだ。2国間EPA改定により質の高い貿易・投資ルールを加えれば、こうした国々のTPP参加も後押ししやすくなる。

日本では人手不足が深刻になっている。EPAを通じてインドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師や介護福祉士の候補を受け入れているが、必要なら人員枠の拡大も検討すべきだ。

米国が保護主義に傾き、中国は自国の経済圏拡大を狙っている。そんな中で日本はTPPや欧州連合(EU)とのEPAが合意したからといって、通商外交の手綱を緩めてはならない。

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