2018年8月16日(木)

仮想ユーチューバー台頭
SmartTimes (伊藤将雄氏)

コラム(ビジネス)
2018/2/9付
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 動画共有サイトYouTube上におもしろ動画や歌を公開し、若者に大人気となっているYouTuber。子供がなりたい職業の上位に食い込んだのも記憶に新しい。昨年末ごろから生身の人間ではなく、3DのCG(コンピューターグラフィックス)キャラクターがタレント活動する「バーチャルYouTuber」がブレークしている。

1997年早大政経卒、ビジネス誌出版社に入社。2000年楽天入社。02年に学生時代に開発した「みんなの就職活動日記」を事業化し、04年に楽天に売却。05年にユーザーローカル設立。

1997年早大政経卒、ビジネス誌出版社に入社。2000年楽天入社。02年に学生時代に開発した「みんなの就職活動日記」を事業化し、04年に楽天に売却。05年にユーザーローカル設立。

 その仕組みは、声と振り付けを担当する演者の身ぶり手ぶりや表情を、センサーやカメラでスキャンしてデータ化し、CGキャラの動きにリアルタイムに反映させるというものだ。言葉ではピンと来ないと思うので、実際にYouTubeで「バーチャルYouTuber」を検索してまずは体感してみてほしい。

 映画の3D・CG技術に近いが、VR(仮想現実)デバイスの流用によって低予算に実現できるようになった結果、さまざまなバーチャルYouTuberが生まれるようになった。

 通常のYouTuberタレント同様、定期的に動画をアップしたり、ライブ配信したりしている。メインターゲットは15~24歳の男性ということもあり、ゲーム実況動画も人気コンテンツとなっている。

 長いコンテンツではなく短時間の動画が多い。テレビのアニメ番組の場合は通常週1回の30分番組だが、バーチャルYouTuberの動画は5分ずつ毎日最新コンテンツがアップされるものが多く、ファンが飽きないようにしている。また、ツイッター上でファンと活発にやりとりして親近感を高めている。

 現在すでに240人以上のバーチャルYouTuberが存在。女性アイドルからゾンビ、動物のキャラクターもいる。そのなかで、最も人気なのが「キズナアイ」という名前の女性アイドルのキャラクター。海外も含め、ファン数はすでに約150万人もおり、動画の総再生回数は7000万回を突破している。

 昨年12月にデビューした「輝夜月(かぐやるな)」は、開始後たった1カ月間で30万人のファンを獲得し、既存のYouTuberを脅かす存在になりつつある。筆者の会社では全バーチャルYouTuberをリストアップした人気ランキングを掲載している(https://virtual-youtuber.userlocal.jp/)。

 この上位のバーチャルYouTuberは、ライブを開催するとファンから投げ銭(おひねり)が飛び交うほど白熱しており、ライブ1回で数十万から数百万円単位の投げ銭を稼ぐバーチャルYouTuberも出てきている。

 また、企業から協賛費を得て、商品紹介のタイアップ動画も作られるようになってきており、ビジネスとしても成立しつつある。

 これから数年もすれば、人気アイドルの何割かをCGと音声合成技術によって作られたキャラが占めるようになるかもしれない。

[日経産業新聞2018年2月9日付]

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