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世界同時株安で問われる政策協調

米国を起点とした株安が世界の金融・株式市場を揺るがしている。5日のニューヨーク市場ではダウ工業株30種平均が前日比1175ドル安と過去最大の下げ幅を記録。6日の東京市場でも日経平均株価が前日比1071円安で昨年10月以来の安値となった。

株安は先進国だけでなくアジアなど新興国市場にも広がり、世界同時株安の様相を強めている。

今回の株安が低インフレ下で緩やかな成長が続く「ゴルディロックス(適温)」と呼ばれる経済の終わりを示すのか、急ピッチで上げてきた相場の一時的な調整にとどまるのかは、見極めが必要だ。

足元の世界経済は好調だ。国際通貨基金(IMF)は1月下旬に今年の世界の成長率見通しを昨年10月時点から0.2ポイント引き上げ3.9%とした。日米欧、中国がそろって上方修正になった。

各国の経済や企業業績が好調ななかでの株安の直接のきっかけは、2日発表になった1月の米雇用統計での賃金上昇だ。米長期金利が上昇し、適温相場が崩れるという警戒感が広がり、コンピューターによる自動取引も相場下落を増幅した。

米国の経済が好調とはいえ、昨年末以降の株価上昇のスピードには警戒感もあり、割高感を指摘する声も少なくなかった。実態以上にかさ上げされた株式相場の調整は不自然なことではない。ただ、株価下落が急激で長期化すれば、消費者や企業経営者の心理を冷やし、それ自体が経済に悪影響を及ぼしかねない。

各国の政策当局者は、国内の経済政策を再点検すると同時に、世界経済安定のための政策協調を緊密にすべきだ。特に自国優先の保護貿易主義が高まったり、通貨政策をめぐるあつれきが生じたりすることは避けるべきだ。

金融政策では、就任したばかりのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に注目が集まる。新興市場国をはじめ世界経済や金融市場への影響も十分注意しながら政策を進めてほしい。米国に続いて緩和縮小に動く欧州中央銀行(ECB)、緩和を継続する日本銀行も、市場との対話には細心の注意が必要だ。

世界的に企業部門にお金がたまっている。このお金が株や不動産など資産市場だけではなく、賃上げによる家計所得の拡大や、設備投資など実体経済の強化につながる方向に流れることが望ましい。

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