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食品の地域ブランドの保護を混乱なく

日本と欧州連合(EU)は昨年大筋合意した経済連携協定(EPA)に基づき、食品のブランド名称である地理的表示(GI)を相互に保護する具体策を決めた。日本のGIが一括して欧州域内で保護される意義は大きい。欧州ブランドの国内市場での保護も混乱なく進めてもらいたい。

農林水産物や加工食品のGIは、世界貿易機関(WTO)協定が知的財産と認めている。日本にとって、食品を含めた幅広い品目のGIを相互で保護する合意は日欧EPAが初めてだ。環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すれば同様のメリットを期待できる。

今回の合意では、協定の発効時にチーズの「ゴルゴンゾーラ」(イタリア)など210の欧州産品(うち酒類が139品目)を日本が国内で保護し、EUは「市田柿」(長野県)など日本の56産品(同8品目)を欧州域内で模造品による名称使用などから守る。

国内では2015年に「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(GI法)」が施行され、これまで酒類と合わせ60産品以上が登録された。各産地は地域に根付いた食品ブランドが高い付加価値を持つことを認識し、海外市場の開拓に役立ててほしい。

国内では、食品企業などが欧州のGIを侵害しないように注意しなければならない。農林水産省は1月に開いた食品企業などを対象にした説明会で「○○県産ゴルゴンゾーラ」「ゴルゴンゾーラへのオマージュ(敬意)を込めた国産ブルーチーズ」といった表示を侵害例に挙げた。

既存の食品名もGI侵害にあたる場合は、協定の発効から7年間の経過措置(酒類は5年)が終わるまでに変える必要がある。

ただ、農水省によれば、国際的な食品規格(コーデックス)委員会が製法を定めている「カマンベール」などを、欧州の地域名と切り離して使う場合は侵害とはならない。国内で粉チーズの総称として普及している「パルメザン」の使用も、本来の欧州のGIと混同しなければ問題ないという。

こうした例外もあって、国内企業や産地には混乱も見える。企業などがどう対応すればいいか、さらに丁寧な説明が要る。

GIの保護は、食品や酒類そのものの表示だけでなく、インターネット販売や広告での名称使用も対象になる。地域ブランドを守る環境を国内でも整えてほしい。

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