2018年12月19日(水)

安定成長に手腕問われる新FRB議長

2018/2/2 23:13
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米連邦準備理事会(FRB)の新議長にパウエル理事が3日就任する。過去4年間で異例の金融緩和の縮小を進めたイエレン氏を引き継ぎ、円滑に金融政策を正常化し、安定成長を実現するのが当面の課題だ。

2008年の金融危機後に量的緩和など大規模緩和策をとったバーナンキ氏を14年2月に引き継いだイエレン氏は、国債など資産購入の縮小、政策金利引き上げ、そして昨年10月からは保有資産の縮小と緩和縮小の道筋をつけた。

物価上昇率が鈍かったため、当初描いていたよりはゆっくりした歩みとなったが、市場に大きな混乱を与えずに金融緩和を出口へと導いたのはイエレン氏の功績といっていいだろう。

パウエル氏は当面はイエレン氏の路線を引き継ぎ、保有資産の縮小と政策金利の引き上げを進めていく方針だ。

パウエル氏はバーナンキ氏やイエレン氏と異なり経済学者出身ではないが、行政やビジネスの経験は豊富でバランスのとれた人物という評がある。ただ、米経済や金融市場には変化の動きもある。現状の政策を維持するだけでなく、情勢変化にあわせ、機動的に政策を調整する必要も出てくる。

足元で米長期金利の上昇が目立っている。米国に続いて欧州中央銀行(ECB)も金融緩和の出口を急ぐのではないかといった思惑も影響しているようだ。

FRBには、米国だけでなく欧州、日本、新興国など世界への影響も考慮した政策運営が求められる。FRB議長が記者会見などで発する言葉に市場は耳をすましており、パウエル氏は早速、市場との対話の手腕が問われる。

トランプ政権との関係も気になるところだ。現状では今年も昨年と同様、年3回程度の政策金利引き上げを見込む市場関係者が多い。ただ、今後、景気や株式・不動産市場の過熱、インフレの加速が見込まれるようになれば、利上げのペースを速めなければならない局面もあり得る。

法人税、所得税の減税を含む税制改革に続いて、トランプ政権は1.5兆ドルのインフラ投資を進めることを提案している。景気がFRBの予想以上に過熱した際に、トランプ大統領が利上げを急がないように圧力をかけることも予想される。パウエル議長がその際に、中央銀行として毅然とした対応をとれるかどうかも焦点だ。

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