2018年11月14日(水)

生活困窮者への就労支援急げ

2018/1/31 23:30
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政府は生活困窮者自立支援法と生活保護法の改正案を、今国会に提出する方針だ。生活保護の一歩手前の人への就労支援を充実し、自立を後押しするのが最大のポイントだ。

長期間無職だったり、仕事が不安定だったりする人は多い。早くから支援すれば、生活保護に頼らないですむ人が増える。就労による自立は、本人のためになるのはもちろん、人手不足に悩む日本経済にとってもプラスだ。実効性ある仕組みを整えてほしい。

生活困窮者への支援は、福祉事務所を持つ約900の自治体が担っている。総合的な相談窓口を設け、支援計画をつくるが、取り組みには地域差が大きい。

例えば、すぐに働くのが難しい人向けに、生活習慣の見直しも含め指導する「就労準備支援事業」がある。任意の事業で、実施率は44%だ。2017年12月に政府の審議会がまとめた報告書は、将来的に必須事業とすることを目指しつつ、福祉事務所を持つ全自治体での実施を求めた。

今回、「65歳未満」という対象者の年齢要件も廃止するという。就労を、年齢で区切る意味はない。当然の見直しだ。地域で情報を共有し、困っている人を早期に見つけ出すことも欠かせない。

生活困窮者への就労支援を、生活保護受給者への支援と一体的に運営すれば、より効率的になるだろう。自治体が地域の状況に応じて活動を工夫できるよう、国は柔軟性を持ってほしい。

今回の改正では、生活保護費の半分近くを占める医療扶助も見直す。過剰な受診や投薬があるとされ、新たに指導員が病院に同行するなどの対策を講じる。

だが、防止策としては不十分だ。受給者は、病院窓口での負担がない。本人に後で還付する仕組みを含め、ごく少額でも負担することを真剣に検討すべきだ。

生活保護は病気や障害などで生活に困った人を守る「最後の安全網」だ。いたずらに保護費が膨らめば、制度維持は難しくなる。

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