2018年6月26日(火)

化石燃料の持続可能な使い方を考えよう

2018/1/29 1:10
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 2016年度に国内で消費した1次エネルギーの約9割は石油や天然ガス、石炭など化石燃料だった。私たちの暮らしや日々の経済活動はこれに支えられている。

 化石燃料への過度の依存は避けるべきだが、急に減らすわけにもいかない。ただ、化石燃料を取り巻く環境は急速に変化している。持続可能な形で使い続ける手立てを考えることが重要だ。

 エネルギー政策の長期的な指針である「エネルギー基本計画」に基づく見通しによれば、30年度時点でも1次エネルギーの75%、発電の56%を化石燃料でまかなう。

 基本計画に沿って太陽光や風力などの再生可能エネルギーを伸ばし、原子力発電所を再稼働させたとしても、当分は化石燃料がエネルギー供給の中心であり続ける。

 たとえば長期見通しでは30年度時点で、発電燃料の26%を石炭で確保する。再生可能エネルギーや原発を上回る目標だ。

 しかし、地球温暖化対策の道筋を定めたパリ協定が発効し、二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電には世界的に厳しい目が向けられている。環境対応を企業評価の尺度として重視する金融機関や投資家が、石炭火力への投融資から手を引く動きも広がる。

 国は現在、基本計画の見直しを進めており、掲げる目標が妥当なのか確認する必要があるだろう。

 ただし、石炭には価格競争力や潤沢な埋蔵量、産出地に偏りがないなどの利点がある。電力インフラの整備を急ぐ新興国には依然、根強い需要がある。簡単に放棄できない。

 日本はCO2や大気汚染物質の排出を減らす最先端の技術を持つ。石炭を使い続けるなら、技術をさらに磨き、石炭を必要とする新興国にも広げていく取り組みを強化していかなければならない。

 現行のエネルギー基本計画によれば、石油は30年度でも最大の1次エネルギー源だ。石油には電気やガスに比べ持ち運びや保存がしやすい利点もある。調達や供給を安定させる重要性は変わらない。

 一方、人口減少を背景にガソリンや軽油など石油製品の国内需要は減少し、電気自動車(EV)が急速に普及する可能性もある。

 これが全体の石油消費にどのような影響をもたらすのか。EV向けの充電施設の整備と、ガソリン車向けの給油所網の維持をどう並行して進めるのか。燃料転換を見据えた備えを始める必要がある。

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