2018年12月10日(月)

長期拡大が続く米経済に死角はないか

2018/1/28 0:09
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米国経済の息の長い拡大が続いている。2017年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率換算で2.6%増加した。17年通年でも、16年の1.5%増を上回る2.3%増となった。09年7月からの景気拡大は9年目に入り、過去3番目の長さとなっている。

10~12月のGDPの伸び率は、7~9月期の3.2%から鈍化した。消費、設備投資、住宅投資など内需は好調だったが、輸入増加と在庫の減少がGDPの伸びを抑制した。

米企業の収益は好調で、雇用は拡大し、株高による資産効果などで個人消費も堅調だ。18年はトランプ大統領が打ち出した法人税率の引き下げなど減税の効果もあり、米景気の拡大基調は続くとみられている。

ただ、堅調な米国経済にも不安の芽はある。好調な企業業績を反映して株価は上昇を続けている。今のところ資産価格の上昇は経済実態の裏付けがあるとみられる。ただ、今後一段と過熱し、金融システムにひずみが出ないかどうか、金融当局者はしっかりと目配りする必要がある。

トランプ政権の政策にもなおリスクがある。交渉が難航している北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど米国第一主義の通商政策には危うさが残る。為替政策をめぐる政権幹部の発言が揺れ動くなどトランプ政権が一貫した政策運営をとれるのかどうかについても不安がある。

最近も、暫定予算をめぐる議会の対立で連邦政府機関の一部が短期間ながら閉鎖される事態となった。今年11月には議会の中間選挙も控えており、政治の混乱が続けば、消費者や企業経営者の心理に悪影響を与える恐れもある。

トランプ政権は今後、インフラ投資の拡大も打ち出す見通しだ。短期的には景気刺激効果をもたらす減税や歳出拡大は、中長期的には財政赤字を増やす要因になることも注意が必要だ。

景気拡大が続くなかで、米連邦準備理事会(FRB)はゆっくりとしたペースで政策金利の引き上げを継続する見通しだ。利上げは金融危機後の量的緩和で購入した国債など保有資産の縮小と並行して進めることになる。2月に就任するパウエル次期FRB議長のもとで、市場に混乱を与えずに、円滑に金融政策の正常化を進めることも大きな課題だ。

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