2018年9月19日(水)

突然の火山噴火にどう備える

2018/1/24 23:19
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 群馬・長野県境にある草津白根山が噴火し、近くで訓練していた自衛隊員やスキー客に死傷者が出た。2014年に死者58人を出した御嶽山(長野・岐阜県)噴火に続き、また犠牲者が出た。

 気象庁によれば、噴火から1日たった24日も火山性微動が続いている。同庁は噴石の恐れがある火口2キロ以内への入山を規制したが、その外でも火山灰が降ったり、空気の振動でガラスが割れたりする被害への警戒は怠れない。

 雪が多い地域だけに、解けた雪が土砂とともに流れ下る泥流が起きる恐れもある。周辺の自治体は危険地域を早急に洗い出し、避難方法を住民に周知すべきだ。

 今回の噴火は気象庁や研究者の予測の裏をかく事態が重なった。

 ひとつが噴火の場所だ。草津白根山には観光名所の「湯釜」がある白根山、本白根山など複数の火口がある。うち湯釜周辺は1980年代に噴火し、気象庁がカメラなどを置いて監視していた。だが予測と違う本白根山が噴火し、情報発表に手間取った。

 もうひとつが地震や噴気などの前兆を観測できなかったことだ。今回の噴火は地下水がマグマで熱せられて噴き出す水蒸気噴火とみられる。その多くは前兆を伴わず、火山学の限界を見せつけた。

 だが予測が難しいからといって、備えを諦めてはならない。

 まず、カメラなどで監視する火山を全国50の「常時観測火山」に限らず、可能な範囲で増やすべきだ。インターネットの普及でカメラやセンサーが安価になり、民間が観光目的で設ける例も増えている。これらも活用すれば噴火情報の発表は改善できるはずだ。

 被害範囲を予測したハザードマップも見直しが要る。草津白根山でもマップ自体はあったが、湯釜周辺の噴火だけを想定していた。複数のケースを想定したマップを作れば、作製過程で住民の防災意識が高まる効果も期待できる。

 国内に111ある活火山はどこが噴火しても不思議ではない。対策を再点検する機会にしたい。

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